昭和2年(15陽会)1927年

NO2

第一回。一中=石黒遊撃フライの後八木二壘を抜くヒットを放ち藤田四球に續いたが宮崎三壘ゴロに八木併殺を喫す。
△二中=眞鍋右翼を越す二壘打を飛ばし池田の投手ゴロに三進、田中スクヰズを企て三壘線に絶好のバントして眞鍋を還し投手の送球を一壘失する間に生き小西インターフェアで二走者出るや藤池バントしてこれを送り丸山投手ゴロ失に田中生還、丸山スチールして大橋右翼前ヒットに小西、丸山生還、森山中堅フライに斃れたが四點を先取す。(一中零、二中四)

第二回。一中=決眦して立ち深井中堅前ヒット、谷尻四球に出たが矢嶋左翼フライ、畠中二壘ゴロに谷尻封殺されて二死となったが畠中スチールし松尾四球に滿壘となり石黒二遊間ヒットに深井生還、八木左翼フライ失に畠中、松尾生還、藤田左翼越え二壘打に石黒生還、宮崎三振に退いたが四點を入れて兩軍同點となる。
△二中=龜山右翼越え二壘打を放ち眞鍋三振後池田の投手ゴロに三進、田中四球を得てスチールし小西また四球に滿壘となったが藤池惜しくも三振。(一中四、二中零)

第三回。一中=深井三壘ゴロ失に生きたが谷尻中堅フライ、矢嶋三振、畠中投手ゴロに後援なし。
△二中=丸山左翼フライ失に出壘し大橋左翼フライ、森山四球の後スチールを企てゝ刺さる。(兩軍零)

第四回。一中=松尾左翼フライ、石黒四球、八木遊撃ゴロ失に出で藤田遊ゴロに石黒封殺されんとしたるもパスボールに石黒、藤田の二走者進壘したが宮崎の遊撃ゴロに點とならず。
△二中=龜山投手ゴロ、眞鍋四球を利したがスチール成らず、池田三振。(兩軍零)

第五回。一中=深井左翼フライ、谷尻三振、矢嶋投手ゴロに無為。
△二中=田中四球、小西のバントに送られ藤池左翼フライの後丸山二壘頭上を抜くヒットに長驅生還、丸山スチール後大橋四球、森山左前ヒットに一死滿壘の好機到り龜山遊撃ゴロ失に丸山生還、眞鍋の三壘ゴロに乗じて大橋生還、森山これに續いて危ふく三本間に挟殺されんとしたが辛ふじて生還、池田二壘フライにやんだがこの回二中四點を占む。(一中零、二中四)

第六回。一中=畠中中前ヒット、松尾の投手ゴロに封殺され松尾又投手の牽制球に引っかゝって挟殺され石黒四球を得スチールしたるも八木三振。
△二中=池田投手ゴロ、小西遊撃ゴロ失に出たが藤池三振、丸山遊撃ゴロ、小西封殺せらる。(兩軍零)

第七回。一中=藤田遊撃ゴロ低投に生きスチール、宮崎三振後深井左翼越二壘打に生還、谷尻中堅フライ、矢嶋三振。
△二中=大橋中堅を抜く三壘打を放ち森山右翼フライの後龜山の左前ヒットに生還、眞鍋中堅越二壘打に走者三二壘を占め池田三振の後田中四球に滿壘の好機を得たが小西中堅に打ち上ぐ。(一中一、二中一)

第八回。一中=畠中投手足下を抜くヒットに出で松尾三振、石黒死球を喫し投手ボークに走者進壘、八木四球に一死滿壘の好機に見舞はれ藤田左翼に犠牲フライを上げ二者生還、八木スチールしたが宮崎三振。
△二中=藤池、丸山共に投手ゴロの二死後大橋、森山共に四球を利したが龜山三振で波瀾なし。(一中二、二中零)

第九回。一中=深井三振、谷尻左翼を越す二壘打に氣を吐いたが矢嶋、畠中の二者三振して万事休し九A對七の接戰を以て二中軍勝つ。

《武 陽》
▽第2回戰對御影師範

 昭和2年4月9日(土)明石公園グラウンド 午後3時=5時20分

 御影師範 003 201 000=6
 神戸二中 012 031 03A=10


 〔二 中〕 打得安犠盗三四失
       數點打打壘振球策
 3 眞 鍋 32001121
 4 池 田 32110111
 2 田 中 30011000
 6 小 西 40000002
 8 藤 池 43201000
 1 大 橋 40100000
 7 森 山 31102110
 5 丸 山 41002101
 9 龜 山 21011010
     計 3010538455

 〔御 影〕 打得安犠盗三四失
       數點打打壘振球策
 6 山 口 41102112
 7 山 本 50000100
 3 大 西 30100010
 5 眞 邊 41001102
 8 淺 原 41100001
 4 谷 田 31000110
 2 蔭 山 30010300
 9 神 澤 31000010
 1 伊 藤 31000011
     計 326313756

☆好漢藤池、池田良く打ち走壘亦見事也。
   全軍對一中戰の意氣を忘るべからず。☆

第一回。御影=御師山口三振、山本三匍、大西一匍に空し。
△我軍=眞鍋右飛、池田四球を得、田中の三匍に封殺、小西左飛。

第二回。御師=眞邊三振、淺原投匍、谷口三振、大橋の投球は鮮である。
△藤池三壘を襲ひ一壘高投に二進、大橋一邪飛後、二個のパスボールに生還、丸山三振に退く。

第三回。御師=蔭山三振、神澤、伊藤四球、捕逸に進壘、山口二遊間安打、神澤還り、山本三振、大西左翼安打に伊藤、山口生還、眞邊二飛されど彼三點を入れて意氣昂し。
△二中=龜山左飛後眞鍋四球に出で池田とのヒットエンドラン見事に成功し走者一二壘に在り。此の時投手二壘に高投し中堅手又後逸して眞鍋、池田生還、田中遊匍、小西中飛盛に打揚ぐ。

第四回。御師=淺原三側内野安打、谷口四球、蔭山犠打して各進壘、神澤の遊匍、淺原生還、神澤二壘を奪はんとして捕手よりの投球に刺さる。されど谷口ホームを強襲して生く、伊藤三匍に退く。
△二中緊まらざるべからず、藤池直球に三壘を襲へど彼亂れず、大橋遊匍、森山二飛。

第五回。御師=山口中飛、山本投匍、大西三匍。
△我が軍丸山遊匍、龜山四球に出で暴投に三進、眞鍋四球、盗壘す、池田バントして龜山を還し自分も生く、續く田中又バントすれば池田駿足能く二壘より本壘を陥る、實に美事なる走壘なり。小西中飛。

第六回。御影=眞邊二匍低投に生き盗壘す、淺原三振、谷口の一匍に三進し何事ぞ眞鍋三壘に高投生還、蔭山三振。
△二中=藤池投前内野安打盗壘、大橋の投匍に三進、森山四球、盗壘せんとして捕手の高投に生還、森山三壘に進みしも離壘して刺され丸山三匍。

第七回。御影=神澤三匍、伊藤三匍失、山口四球、山本の投匍に伊藤封殺、山口三盗ならず。
△二中=龜山中飛、眞鍋三振、池田遊匍失巧みに二盗、田中三匍失、小西遊飛。

第八回。御影=大西四球、眞邊の投匍に封殺、淺原三匍、谷口二飛。
△二中=藤池先づ左前クリーンヒットに出で大橋の左翼右二壘打に三進、森山二越安打に藤池生還、丸山のバント惜しくも大橋刺され龜山のバントに森山還り龜山の二壘盗奪、捕手の投球に乗じて丸山生還、眞鍋投匍、池田三振。

第九回。御影=最後の攻撃なれば決眦して立ち蔭山二−二後三振し次いで代打者山田遊撃を襲ふ何事ぞ小西悪投して彼二進す、伊藤又遊匍失に生き續く山口更に遊撃を襲ふ、されど小西今は許さず田中に球を送って山田本壘に憤死す。山本三匍に空しく遂に万事休す。