昭和6年(19陽会)1931年

NO2

〈神戸新聞〉
[第10回京阪神中等学校對抗野球大會]

 昭和6年4月1日(水)濱ノ宮球場
 午前11時35分=午後2時35分 試合時間=3時間 審判・原(球)金政(壘)
▽1回戰
 神戸二中 102 410 000=8
 姫路師範 140 004 31X=13


 〔二 中〕  打得安犠盗三四失
        數點打打壘振死策
 (投一投)
    野 田 42200120
 (遊)成 川 12000050
 (捕)佐久間 22000040
 (投一左)
    田 中 60100100
 (右)大 中 50100311
 (一)名 倉 50100213
 (二)山 脇 40200100
 (三)松 村 40000111
 (中)古 市 22000130
    合 計 33870010175

 〔姫 師〕  打得安犠盗三四失
        數點打打壘振死策
 (遊)福 山 51100110
 (左)小 坂 53200010
 (一)柳 田 52202000
 (捕)岡 本 42100211
 (中投中)
    大 西 40101020
 (投二投)
    上 田 41100110
 (右中右)
    草 野 23100130
 (二右二)
    白 岡 51200100
 (三)志 水 40011101
    合 計 38131114792

 △本壘打=岡本 △三壘打=小坂、草野、白岡 △二壘打=名倉 
 △投手暴投=田中(一) △捕逸=岡本(一)

△第一回。二中、野田まづ四球に出で、成川のバントは三壘小フライとなって退いたが佐久間の三匍を壘手封殺を焦って二壘へ暴投、野田一壘より長驅生還。佐久間その間に一擧三進したが、田中投匍、大中の三振に止む。
▲姫師は福山の二匍の後小坂三壘を破る安打に出て二死後岡本の左翼浅いフライを後逸する間に小坂生還、岡本二進して大西左前ゴロで岡本一擧本壘を望み刺され双方一對一多忙な前哨戰を終った。

△第二回。二中二死後松村、古市共に四球を得て出たが、野田の中堅フライに空しく。
▲姫師は一死後草野死球を喫して出で白岡遊撃を破る安打に續き志水のバントに走者二、三進して福山の四球に滿壘となった時小坂の左中間を抜く三壘打に走者を一掃し更らに柳田の中前安打に小坂も返り岡本の三振に止む。姫師この回一擧四點を奪ふ。

△第三回。若き姫師上田投手三回に入って漸くコントロール亂れ二中成川、佐久間連續四球を得一死後大中も四球を利し滿壘となり名倉の左越二壘打に成川、佐久間踵を接して生還、山脇投手フライ、松村の遊匍に終ったが二點を返す。
▲姫師も亦無死で大西、上田と連續四球を得て(二中上田左翼、野田投手となる)續く草野も四球に滿壘となったが白岡投飛、志水、福山三振に葬られ二中ピンチを脱す。

△第四回。二中、古市四球、野田三遊間安打に續き瀧川四球に滿壘となり佐久間又四球に古市押出されて還り(姫師、上田二壘へ白岡右翼、草野中堅、大西投手となる)一死後捕逸、野田生還、二死後名倉復も四球を得て滿壘となり捕手の返球悪く成川すかさず生還、山脇の三壘右を抜く安打に佐久間も還り二中四點を奪ひ逆に二點をアヘッドする。
▲姫師は小坂四球に出で柳田の一壘ゴロに二進して岡本右飛失に生き走者一、二壘に據ったが大西の左飛、上田の遊匍に好機を逸した。

△第五回。二中、姫師は三度陣容を變へ大西をマウンドに呼び防戰に努める。古市四球を得野田の左前安打と成川の四球に滿壘となり佐久間四球を得て古市押出され、なほ好望であったが後續凡退。
▲姫師は二中の救援投手野田の緩曲球を打ち悩んで無為。

△第六回。二中無為。
▲姫師、柳田三匍失に出で二盗、岡本四球に續き大西の二壘寄内野安打に滿壘となり上田の三遊間を抜く安打に柳田、岡本相次いで生還、大西の三盗成らず、草野四球に出で白岡の左前三壘打は上田、草野を還す。白岡は志水とのスクイズ破れて本壘に憤死し志水二盗成り更に三壘を望み猪突して刺されたが姫師四點を擧げ再び形勢逆轉。

△第七回。二中振はず。
▲姫師、一死後小坂三匍一壘失に出で柳田遊撃を破る安打に續き岡本左越の本壘打を戞っ飛ばして三點を加へ茲に大勢を決する。

△第八回。二中必死となって攻め立て大中二遊間を抜く安打に出で一死後山脇左前安打に續いたが松村の投匍に大中三壘に封殺、古市三振してチャンス育たず。
▲姫師、草野中堅前三壘打し二死後福山の三遊間を抜く安打に草野生還して一點を増す。

△第九回。二中、最後の攻撃に入り野田三振の後成川四球、佐久間死球、田中左前安打に滿壘となったが、大中三振、名倉投匍に空しく遂に十三對八で二中惜敗す。