昭和12年(25陽会)1937年

NO4

☆新チーム戰績☆
 昭和12年9月4日(土)神戸市民運動場
 開始午後2時36分=終了4時20分 審判・後藤(球)藤井、奥田(壘)
 縣  商 000 000 000=0
 神戸二中 200 010 00A=3


 〔縣 商〕 打得安犠盗四三失
 6 福 井 50000001
 8 酒 井 20000210
 3 松 下 40100030
 2 大 西 30100101
 7 橋 本 40001030
 1 岩 田 30000120
 4 高 島 30000100
 9 田 口 20000111
 PH  某  00000100
 5 近 藤 30000120
     計 2902018123

 〔二 中〕 打得安犠盗四三失
 4 立 花 42200000
 7 枝 吉 40000030
 6 山 本 31100110
 1 池 田 30101110
 8 芝 山 30000110
 2 中 村 40000020
 9 青 田 30100100
 3 小 林 40000000
 5 村 上 20000111
     計 303501591

 △二壘打=池田、山本

一回(縣商)福井遊匍、松下四球、酒井三振、大西四球、橋本三振。
  (二中)立花二壘左を抜き枝吉三振、山本の捕飛野手後逸して立花一舉生還、山本
      も池田の三越二壘打に還り、芝山投飛、中村三振に止むも二點先取す。

二回(縣商)岩田捕前軟匍、高島四球、田口、近藤四球で滿壘になるも福井の投匍は
      高島と併殺。
  (二中)青田遊越テキサスに出るも後援續かず。

三回(縣商)松下四球、酒井三振後大西二壘頭上を抜き、橋本の二匍で大西二封、橋本
      二盗したが岩田三振。
  (二中)山本の四球のみ。

四回(縣商)三者凡退。
  (二中)二死後青田四球、小林遊匍失に續いたが村上二匍。
五回(縣商)三者輕く凡退。
  (二中)立花再び二壘右を破り右翼一壘へ悪投する間に一舉三進、枝吉一邪飛後
      山本の左越二壘打に生還、池田の遊匍は山本を三封、芝山四球、中村
      三振。

六回(縣商)二死後岩田四球に出たが高島左飛。
  (二中)二死後村上四球で出たが立花の三匍で二封。
七回(縣商)三者凡退。
  (二中)二死後池田四球直に盗壘せしも芝山三振に無為。
八回(縣商)松下三振、酒井二壘右を抜いたが大西の遊匍に二封、橋本三振。
(二中)三者凡退。

九回(縣商)岩田三振後高島三匍、田口の代打某四球、高島の三匍は野手二壘に暴投し
      て走者二三壘、福井三邪飛に終る。

(後記)池田投手はシュート氣味の速球に縣商打者を徹頭徹尾押へ續けたが四球八つは多い。池田、山本、立花の好打は古参連の面目を示しはしたが新事連の溌溂たる生氣も見のがせない。

◎對第一神港戰
 昭和12年9月6日(月)神戸二中
 審判・後藤、神谷、高原
 神戸二中 000 110 001=3
 第一神港 000 022 00A=4


 〔二 中〕 打得安犠盗四三失
 4 立 花 40202101
 2 中 村 50000000
 6 山 本 41001001
 1 池 田 40100010
 8 芝 山 40000020
 97 青 田 30100100
 3 小 林 32101110
 7 枝 吉 20000110
 9 鈴 江 00000000
 PH  堺  10100000
 5 村 上 30100111
    計  333704563

 〔一 神〕 打得安犠盗四三失
 6 山 崎 20001201
 2 平 松 40101010
 5 佐々木 30100102
 7 田 中 31000130
 1 澤 田 30000111
 4  南  41101010
 3 北 山 41001020
 8 山 下 30000130
 9 金 井 21000210
     計 2843048124

一回(二中)立花右前安打二盗、捕手悪投に三進、中村二匍、山本三匍で本封、山本
      二盗ならず。
  (一神)山崎四球後二盗、平松三振、佐々木三匍、田中三振。
二回(二中)三者凡退。
  (一神)三者三振。この所兩軍投手好調なり。
三回(二中)二死後村上中前テキサス、立花右前安打に續いたが、村上投手牽制球に
      刺さる。
  (一神)二死後金井四球、後援續かず。

四回(二中)一死後山本三匍失、二盗、池田の三壘上の二壘打に還り、池田は芝山の投
      匍に三封、芝山二進、青田三振。
  (一神)佐々木四球二盗を失し、田中三振、澤田左飛。

五回(二中)小林四球、ディレードスチール成り枝吉三振せしも村上四球に續き立花の
      遊匍で村上二封、立花、小林の重盗成り、立花一舉三進、中村投匍。
  (一神)南の左飛野手ミスヂャッヂして二壘打となり北山遊飛、山下三振に危機去
      るかと思はれたが、金井四球、山崎死球で滿壘の時平松右前テキサスを放
      ち二者生還、平松二盗したが佐々木三直。

六回(二中)三者凡退。
  (一神)(二中山本三壘、立花遊撃、村上二塁となる)、田中、澤田四球、南二匍
      で澤田二封、北山三匍失に田中還り南三盗、北山二盗なり山下四球(二中
      山本、立花交替)金井投匍で本封、山崎二匍失で北山も還る。平松二匍に
      二點逆襲。

七回(二中)青田左前安打、小林三振、枝吉死球(PR)村山も三振、立花四球に續いた
      が中村二飛。
  (一神)(二中左翼青田、右翼鈴江、三壘村上、二塁立花となり枝吉退く)佐々木
      左翼二壘打、田中三振、澤田二飛失に出たが南の二匍で併殺。

八回(二中)三者凡退。
  (一神)三者三振。
九回(二中)青田四球、小林一越安打、堺(PH)の犠打は内野安打となり無死滿壘、村
      上捕邪飛、立花三匍、青田本封、中村三封悪投で小林還り堺も一舉本壘を
      伺ったがホーム寸前よろめき好返球に刺れ萬事休す。

〔後記〕橋本君の耳疾に加へ枝吉君の頭部死球は選手を少數しか有せぬ二中には大打撃であった。山本の負傷に端を發した六回の波亂も不運といってしまふには惜しかった。

◎對三中戰
 昭和12年9月9日(木)神戸三中
 開始午後3時5分=終了5時10分 審判・北澤、尾崎、杉浦
 神戸三中 200 000 200=4
 神戸二中 011 110 10A=5


一回(三中)北川右飛、田村一匍、篠原中堅左に三壘打、竹野中越本壘打、國米三振。
  (二中)立花投匍、青田四球、池田投匍、橋本右飛。

二回(三中)和辻中飛失、直に二盗に刺され、芝山、青田交替、山根遊匍、福井三越
      安打、友國投匍。
  (二中)山本右中間二塁打、芝山三振、中村投匍で三進、村上三匍悪投で生還、
      小林四球、立花一二壘間を破り滿壘となったが青田投匍。

三回(三中)田村四球のみ。
  (二中)池田四球、投手牽制悪投で二進後三盗、橋本四球、山本左前安打に池田還
      り芝山投匍で、橋本三封、山本、芝山重盗成るも中村三振、村上遊匍。

四回(三中)無死國米、和辻四球に出たが後援續かず。
  (二中)小林四球、立花三匍二壘悪投に小林三振、立花二塁、青田投手右を抜いて
      小林還り青田二盗せしも池田三振、橋本遊直は青田と併殺。

五回(三中)三者三振。
  (二中)山本三越安打、二盗後芝山の二匍に三進、中村の三壘上安打に生還、村上
      三振の時中村二盗に倒れたが三對二と開く。
六回(三中)三者凡退。
  (二中)三者凡退。

七回(三中)山根四球、福井の一越テキサスに三進、三壘手落球する間に生還、福井も
      三進し、友國の右前テキサスに生還、北川打者の時友國二盗失し北川も二
      越安打したが田村の二匍に併殺。
  (二中)池田三遊間安打、橋本一越安打、山本の遊匍は三封せんとして、三壘手落
      球し無死滿壘、芝山の三越ライナーに池田還り尚無死なりしも後援なし。

八回(三中)二死後國米遊匍失に生き和辻三遊間を破り、投手牽制暴投に二三進したが
      山根三振。
  (二中)立花二越安打に二盗したが後援なし。
九回(三中)福井三振、友國左前安打、北川三振、田村投匍。

〔後記〕池田の不調と外野の練習不足は最初から二點の重荷となったが、新人橋本君を始めよく當り上位打者は、好走敵陣を撹亂し遂に勝つ。七回村上君の落球は小驅なりとて許すまじきものであった。

◎對村野工業戰
 昭和12年9月25日(土)神戸二中
 開始午後2時35分=終了4時30分 審判・藤井、本村、尾崎
 神戸二中 202 200 530=14
 村野工業 000 000 001=1


 〔二 中〕 打安三四失
 4 立 花 52000
 39 青 田 52102
 1 池 田 52000
 6 山 本 32020
 2 中 村 42010
 9 橋 本 30000
 93 小 林 21000
 8 芝 山 31020
 7 枝 吉 51100
 5 村 上 30000
 5 宮 森 10111
     計 3913363

 〔村 工〕 打安三四失
 6 細 貝 31111
 28 櫻 井 40100
 1 西 永 40300
 4 三 俣 40100
 3 藤 崎 21020
 5 横 田 41200
 9 後 藤 30210
 9 藤 本 20000
 82 中 河 20100
 7 茨 野 30201
     計 3131342

〔經過〕村工は好調の池田投手と内野の堅陣が抜けず七回まで二壘をふみし者唯一人なり。七回以後やゝ壘上を賑はしたが九回に至り無死四球と横田君の二壘打に一點を得零敗を免がる。
 
 之に反して我軍は物凄く巨砲を飛ばし一回池田の本壘打に二點、三回にも池田柵を越してランナーを還し早くも四對零と開き、四回芝山、枝吉、青田の長短打織交ぜ二點を増し、七回山本の本壘打、中村、立花の長打に青田の安打を得て、一舉五點、

 八回には再び山本、中村の安打と小林の二壘より本壘打に三點を増し計十四點といふ新チーム編成以来の大量得點を舉ぐ。此の試合の安打十三、壘打數二十八は近来の収穫でいさゝか意を強くす。