昭和12年(25陽会)1937年

NO2

◎對興國戰
 昭和12年5月23日(日)藤井寺球場
 開始午前9時20分=閉戦11時25分
 神戸二中 000 000 021=3
 興國商業 000 102 000=3

 (9回引き分け)

 〔二 中〕 打得安犠盗三四失
 7 山 本 20000030
 5 高 原 30101021
 6 池 田 50000200
 2 木 村 51201000
 3 尾 崎 41000111
 1 藤 井 30100010
 8 奥 田 20000020
 4 立 花 41000000
 9 津 田 40100000
     計 323502392

 〔興 國〕 打得安犠盗三四失
 2 前 田 50100300
 3 川 内 30000120
 8 藤 田 51200000
 6 國 久 51301001
 91 平 田 41100000
 PH 範 國 00000010
 7 重 本 50100000
 5 松 浦 30100010
 19 宮 川 20000010
 9 坂 白 10000000
 4 小 野 30000100
 4 神 木 10100000
     計 3731001551

 △二壘打=興國4(松浦、國久、重本、神本)△三壘打=二中2(津田、木村)
  興國1(國久)

一回(二中)山本四球、高原四球と續いたが空し。
  (興國)一死後川内四球に出たのみ。
二回(二中)一死後奥田四球に出づるも空し。
  (興國)平田三壘内野安打に出たのみ。
三回(二中)山本、高原四球に出たが池田スリーバントを失して、三振し後援空し。
  (興國)一死後前田中前安打、川内四球に出たが前田を二壘に刺し(二−遊)後援
      空し。
四回(二中)無死にして藤井四球に出たが空し。
  (興國)國久右越三壘打に出たが、平田の三匍で本封、重本遊匍後松浦左越二壘打
      で平田還り、宮川一匍。
五回(二中)山本四球に出高原の三匍で二封、二死後木村の左前安打も尾崎の三振に空
      し。
  (興國)三者凡退。
六回(二中)藤井無死にて中前安打を放ちたるも後援なし。
  (興國)藤田二壘頭上のライナー、二壘手グラブに當て左前安打とし、國久の二壘
      打で三進、平田の左飛で還る。重本右越フライも右翼手グラブに當てたが
      及ばず二壘打となり、國久還る、松浦中飛、宮川四球、小野三振。

七回(二中)高原遊撃内野安打に出で、二盗したが空し。
  (興國)一死後川内二匍、一壘失に出で藤田の投匍で二封、國久遊撃右を抜いたが
      平田捕飛。

八回(二中)逆襲に移り尾崎四球、藤井二直に倒れたが、奥田四球、立花三匍で二封、
      津田右中間深く抜く三壘打で二點を還し(代走立花)たが(投手平田)
      山本遊飛。
  (興國)一死後松浦四球に出たが坂白(宮川の代打)投匍で二封、神木(小野の代
      打)左翼右へ二壘打したが前田三振に空し。

九回(二中)二死後木村起死回生の三壘打を放ち、返球を國久ハンブルする間に還り同
      點となる。
  (興國)一死後藤田三遊間を抜き國久の遊匍で二封、國久の遊匍で二封、國久二盗
      し範國(平田の代打)四球に續いたが、重本一匍で引分となる。

◎對成器商業戰
 昭和12年5月30日(日)堺大濱
 開戰午前11時55分=閉戰午後1時55分
 成器商業 200 010 000=3
 神戸二中 020 000 20A=4


 〔成 器〕 打得安犠盗三四失
 6 氏 田 32101010
 4 磯 崎 30110001
 5 森 高 41101000
 1 梶 岡 30000011
 7 相 馬 40100000
 9 成 子 40000100
 8 山 川 40000000
 3 家 田 30000200
 2 天 野 30000000
     計 313412322

 〔二 中〕 打得安犠盗三四失
 6 池 田 40100101
 5 高 原 31201010
 7 山 本 31101310
 2 木 村 10001130
 9 津 田 40000100
 3 尾 崎 30000110
 1 藤 井 31001210
 4 立 花 31100010
 8 奥 田 30000210
     計 2745041191

 △三壘打=山本

一回(成器)氏田遊撃右を抜き磯崎に送られ、森高遊匍失で還り梶岡遊匍で森高三進逸
      球で還る。
  (二中)二死後山本四球で二盗したが木村三振。

二回(成器)三者凡退。
  (二中)二死後藤井二匍失に生き、立花の一壘右を抜く安打で二進、奥田四球で
      滿壘、池田左前安打で藤井、立花還り、池田二進せんとして刺さる。
     (左−捕−二)

三回(成器)三者凡退。
  (二中)高原中前安打、直ちに二盗、山本三振、木村四球、津田三匍して高原三
      封、尾崎四球で滿壘、藤井三振。

四回(成器)一死後梶岡四球、相馬遊撃右を抜いて續いたが空し。
  (二中)三者凡退。
五回(成器)二死後氏田四球、二盗成り、磯崎遊撃テキサス、氏田還り森高左前安打で
      三進、森高二盗成ったが、梶岡投匍で止む。
  (二中)高原四球、山本三振、高原二盗失し、木村四球、二盗成るも津田三匍。

六回(成器)三者凡退。
  (二中)二死後立花四球に出たのみ。
七回(成器)三者凡退。
  (二中)一死後高原投手頭上を抜き山本左翼越三壘打で一點を擧げ返球をカットし
      た梶岡悪投して山本還る。木村四球に出、津田の一匍で二進、尾崎打者の
      時木村三盗を失す。

八回(成器)三者凡退。
  (二中)一死後、藤井四球に出で二盗したが空し。
九回(成器)相馬、成子三匍、山川左飛で我軍勝つ。

□…我は新鋭、彼も新鋭。彼梶岡の重味あるスピードボールを誇れば我は纏った打力、守力と藤井の左腕から流れ出づる如きスローボールを誇る。
 この一戰は大いに興味を集めたが、四年生は教練の為に練習してゐないので一回池田の暴投を生み、山本の打力衰退を生み二中危ふしと見えたが、池田の左前安打と山本の短振主義に變へた打法は成功して二回二點、七回二點を加へ堂々と勝った。
 守っては池田の暴投以後失策なく藤井の好投と共に完璧の試合振りを見せた。