[対県神戸高野球定期戦]
昭和40年5月13日(木)神戸市民球場
両校とも全生徒を繰り出し、激しい応援合戦のなかで展開されたが、攻守とも上回る県兵庫が逆転勝ちした。県兵庫は二度、先手を取られたが七回、福中の左前打を口火に反撃に転じ、川崎の安打、四球、2敵失、それに中西の中犠飛などで4点を奪って逆転した。
守ってはリリーフの勝が好投、九回二死満塁のピンチも落ち着いたプレートさばきで秋山を三振に退けた。
県兵庫は2連勝、戦後の対戦成績は県兵庫の12勝10敗となった。
県神戸 300 012 000=6
県兵庫 111 000 40X=7
〔県神戸〕 打安点 〔県兵庫〕 打安点
D 住 野 510 C 福 中 540
F 白 川 100 E 大 野 300
1 田 中 200 A 川 崎 410
@96足 立 432 B 十 河 312
H7有 吉 411 H 藤 田 200
A 山 口 400 1 勝 210
E 竹 谷 411 F 山 下 410
G9千 部 511 G 中 西 212
B 秋 山 300 D 前 畑 300
C 植 田 300 @9中 野 300
H 岸 本 000
9 丸 尾 000
計 3575 計 3194
(神)8724211
振球犠盗併残
(兵)354919
▽二塁打=中西 ▽失策=県神戸5(田中、足立、千部、植田2)県兵庫5
(福中2、大野、十河、前畑)▽審判=峰本、林、古金 ▽試合時間=3時間2分
〈神戸新聞〉
[春季県高校野球大会]
昭和40年5月16日(日)神戸市民球場
▽2回戦
三 田 000 000 100=1
県兵庫 200 101 00X=4
(三 田) 打安点 (県兵庫) 打安点
G 菅 野 210 C 福 井 410
H 吉岡正 100 F 山 下 410
D 藤 村 400 A 川 崎 421
F3岸本達 300 B 十 河 510
G 安 井 000 H 藤 田 000
4 西 100 1 勝 310
4 谷 原 310 E 大 野 410
C 大 山 000 G 中 西 420
3 吉岡邦 100 D 前 畑 200
7 山 下 310 @9 中野 310
A 遠 山 400 9 丸 尾 000
E 杉 本 201
@ 恒 吉 000
1 西 村 200
計 2631 計 33101
(三田)453206
振球犠盗併残
(県兵)7430012
▽本塁打=川崎 ▽三塁打=菅野 ▽二塁打=中西2 ▽捕逸=遠山 ▽失策=三田
2(西村、西)県兵庫0 ▽審判=寺坂、高瀬、清水 ▽試合時間=2時間10分
〔評〕三田が一年生の恒吉を先発させたのは県兵庫を甘く見たためではないか。
県兵庫は一回、この恒吉を攻めて一死二、三塁、三田はここでエース西村を救援させたが、十河の投ゴロを一塁に悪投して2点を与えた。
三田は一回の一死三塁、二死二、三塁をのがしているなど一回の攻防が明暗になった感じだ。実力に差がないとみられていたが、以後は県兵庫の一方的ペースで進んだ。
下手投げ西村の球威のない内角球をよく引きつけて打ち、四回は捕逸、六回は川崎が左翼へランニングホーマーして各1点を加えた。
三回の無死一、二塁で見せた制球力不足の中野から左腕勝への継投策もいいタイミングだった。三田は多くの一年生を使っているが、まだまだ力不足、西村も下手投げがマスターできていない。
昭和40年5月23日(日)神戸市民球場
▽準々決勝
県兵庫 200 000 000 0=2
長 田 002 000 000 1=3
(延長10回)
(県兵庫) 打安点 (長 田) 打安点
C 福 中 100 D 山 田 201
F 山 下 400 F 杭 原 200
A 川 崎 410 G 大 内 400
B 十 河 321 A 滝 本 400
H 藤 田 511 4 岡 崎 000
E 大 野 400 @ 山本尭 400
G 中 西 510 C2 浅田 300
D 前 畑 410 E 前 田 310
@ 勝 300 H 山本恵 200
B 正 森 200
計 3362 計 2611
(県兵)81012012
振球犠盗併残
(長田)544103
▽二塁打=前畑 ▽失策=県兵庫4(山下、川崎、前畑、勝)長田0
▽審判=丸島、松尾、高瀬 ▽試合時間=2時間20分
〔評〕押しまくられていた長田が1安打で勝った。三回前田四球後、3連続バントで1点。さらに二死一、三塁で杭原二盗のとき、捕手の悪投を誘って同点にした。野手がベースカバーにはいっていないのに、捕手が無用の送球をしたもの。
県兵庫は左腕勝のできからみてこの回を1点に押さえておれば、逃げ込みも可能だった。延長十回長田は一死後浅田が三ゴロ一塁悪投で二進、続く前田の三遊間への初安打を左翼手がトンネルする間に浅田がかえって幸運なサヨナラ勝ちをした。
県兵庫は一回山本尭の立ち上がりをうまく攻めて2点を先取。その後も乱調の山本尭をついて三回をのぞく毎回走者を出したが、ボールに手を出したりして逸機を重ねた。
好投の勝に報えぬ拙守と拙攻だった。ただ長田も左投手に対する打撃練習不足と大まかなバッティングが目立ち、反省材料の多い試合だった。
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