昭和41年(54陽会)1966年

NO4

〈神戸新聞〉
[第23回対県神戸高野球定期戦]
昭和41年5月18日(水)神戸市民球場
 午後1時45分から神戸市民球場で行われた。延長16回、神戸は一死満塁の好機に
代打の仙波が投手強襲打を放ち、選抜出場の県兵庫にサヨナラ勝ちした。神戸は四年ぶりの勝利で、対戦成績は神戸の11勝12敗となった。

 県兵庫 000 000 000 000 000 0=0
 県神戸 000 000 000 000 000 1=1

     (延長16回)

 〔県兵庫〕 打安点   〔県神戸〕 打安点
 G 大 野 720   D 山 口 610
 E 前 田 620   @ 田 中 600
 A 岸 本 610   E 千 部 600
 F 藤 田 710   A 住 野 630
 D 前 畑 610   F 秋 山 500
 @  勝  420   B 岡 本 410
 H 志 水 620   C 塩 尻 510
 C 江 本 100   H 片 山 500
 H 篠 田 100   H 仙 波 111
 4 和 佐 400   G 宮 崎 500
 B 武 蔵 100
 3 森 川 300
     計 52110       計 4971

 (兵)6615111
    振球犠盗併残
 (神)1613036

 ▽二塁打=大野、藤田 ▽失策=県兵庫0、県神戸1(山口) 
 ▽審判=峰本、丸島、大村 ▽試合時間=3時間31分

〔評〕神戸は16回、先頭住野が左前打、秋山の捕前バントは野選となって一、二塁。このあとバントと塩尻の四球で一死満塁。代打仙波は2−2から5球目をゴロで投手強襲した。県兵庫勝投手にとってさばけない当たりではなかったが、やや本封をあせって大きくはじいた。

 試合は最初から県兵庫のペースで毎回のように得点圏に走者を送った。しかしたび重なる強行策の失敗と神戸高田中投手の落ち着いたピッチングにすべて無為に終わった。九回までわずか一走者の神戸の勝利は延長後、激しく食い下がった気力の賜物だった。

〈神戸新聞〉
【第48回全国野球選手権大会兵庫予選】
昭和41年7月25日(日)姫路球場
▽2回戦
 生 野 000 000 100=1
 県兵庫 200 100 20X=5


 (生 野) 打安点     (県兵庫) 打安点
 C 岡 山 300     G 大 野 221
 D 西 田 400     @  勝  300
 B 金 田 420     A 岸 本 400
 G 村 木 410     2 金 城 000
 E 小 椋 211     F 藤 田 201
 A 北 川 300     D 前 畑 412
 @ 吉 川 300     B 武 蔵 410
 F 長 井 300     H 志 水 200
 H 楠 岡 300     9 森 川 200
               9 篠 田 000
               C 江 本 300
               E 和 佐 320
     計 2941         計 2964

 (生野)1202003
     振球犠盗併残
 (県兵)742216

 ▽二塁打=前畑、村木 ▽失策=生野1(吉川)県兵庫1(武蔵)
 ▽試合時間=2時間18分

〔評〕県兵庫があぶなげなく緒戦を飾った。明るい材料は左腕勝投手の完全復調。
 スピードが増したので、内角ひざ元への速球は威力十分、シュートもさえた。
 得意のカーブは捨て球に使うほど。七回以外はまったく安定した投球ぶりだった。

 打線もまずまず。三度の好機を確実に生かした。
 一、四回の二死一、二塁には前畑、大野が適時打し、七回の無死一、二塁は敵失と藤田の手堅いスクイズでものにした。まったくスキのない試合運びだった。

 生野は六回までわずか1安打の貧攻。ようやく七回に金田、村木の長単打とスクイズで1点を返した。しかしなお一死三塁を逸機したのが惜しい。ここで一気にたたみかけておれば、その裏吉川投手もくずれることはなかったろう。

昭和41年7月27日(水)姫路球場
▽3回戦
 県兵庫 000 001 000 000 000 000=1
 姫路南 000 000 001 000 000 000=1

    (延長18回大会規定により引き分け)

 (県兵庫)打安点     (姫路南) 打安点
 G 大 野720     C 横 内 620
 B 武 蔵810     E 大 掛 000
 A 岸 本750     6 三戸瀬 730
 F 藤 田800     G 歌 井 721
 D 前 畑600     B 岡 部 500
 @  勝 721     F 荒 木 710
 H 志 水310     A 垣 淵 730
 9 篠 田400     H 富 井 200
 C 江 本100     9 望 月 500
 H 森 川100     D 白 矢 600
 4 前 田610     @ 松 本 300
 E 和 佐700     1 黒 谷 300
    計 65121         計 58111

 (県兵)9601116
     振球犠盗併残
 (姫南)5531111

 ▽三塁打=垣淵 ▽二塁打=勝 ▽失策=県兵庫1(前田)姫路南2
 (三戸瀬、白矢)▽試合時間=4時間31分

〔評〕姫路南の松本投手は今大会にはいってから急速に伸びている。宝塚を4安打に完封し、この日も県兵庫の好投手勝とわたり合った。外角速球でカウントをとり、決め球のカーブがすごく切れがよい。一方勝もすきのないピッチング。左腕特有の内角へ大きく割れるカーブで荒い姫路南打線をきりきり舞いさせた。勢い試合は投手戦。

 松本のピンチは五回に勝、志水に長単打された無死二、三塁と、六回の無死一、二塁。五回は必死のカーブの連投で後続を押えたが、六回は二死までとりながら、勝に右前打を喫し、県兵庫に先手を許した。

 姫路南も粘った。七回の一死三塁はスクイズ失敗で、八回の二死二、三塁は松本の二ゴロで無為。しかし九回の土壇場でとうとう勝を捕えた。横内四球、三戸瀬右前打、さらに横内のディレードスティールと攻めて、無死一、三塁。このあと歌井が右犠飛して延長戦に持ち込んだ。

 延長後は白熱した攻防。姫路南は九回からシュートの黒谷にリレー。リリーフ投手のいない県兵庫は勝の続投となった。最大のヤマ場は十三回。姫路南の垣淵が無死で左中間三塁打したとき。だが強攻に出た姫路南にとって望月三ゴロ。白矢浅い右邪飛、黒谷二ゴロと痛恨の逸機となった。

 県兵庫も延長戦後は四度無死の走者を出したが、いずれも黒谷の力投に得点門が開けず、ついに延長十八回大会規定により引き分け再試合となった。