昭和10年(23陽会)1935年

NO2

▽リーグ第3戰
 昭和10年9月14日(土)
 審判・辻本(球)太田、福井(壘)
 神戸二中 100 330=7
 縣  商 000 000=0

  (6回日没コールドゲーム)

 〔二 中〕 〔縣 商〕
 9 田 淵 6 大 給
 7 山 本 5 清 水
 8 葛 野 7  郡
 1 加 島 8 宮 田
 4 矢 野 2 田 村
 6 池 田 1 湯 淺
 3 尾 崎 5  島
 5 高 原 9 寺 崎
 2 木 村 3 大 石
 (二)2681379111
    打安犠盗三四残失
    數打打壘振死壘策
 (縣)183018775

第一回△二中、一安打二四球一敵失に一點を先取す。
   ▲縣商、大給、宮田四球に出たが後援續かず。
第二回△二中、無為。
   ▲縣商、無為。
第三回△二中、山本の安打のみ。
   ▲縣商、二安打、一四球に滿壘となったが後援續かず。
第四回△二中、一安打、五四球に三點を奪ふ。
   ▲縣商、三者凡退。
第五回△二中、池田、高原、木村、山本、葛野の安打に三點を奪ひ大勢を決す。
   ▲縣商、三者凡退。
第六回△二中、無為。
   ▲縣商、一安打のみ。
此の時日没の為試合續行不可能となりコールドゲームとなり七對零にて快勝す。

▽リーグ第4戰
 昭和10年9月15日(日)神戸市民運動場
 開始午後0時30分=閉戰3時40分 試合時間=3時間10分
 審判・林田(球)福井、太田(壘)
 第一神港 351 000 00=9
 神戸二中 710 374 1A=23

 (8回コールドゲーム)

 〔一 神〕 打得安犠盗三四残
 61 露 口 23001030
 4 佐 野 31110111
 8 辻 田 32101221
 7 太 多 22100021
 6 山崎弟 10000000
 19 向 井 30000100
 91591 山崎 41200021
 3 朝 倉 20000101
 2 井 上 40100001
 1 神 谷 30000000
 5 遠 藤 10000000
 5 佐々木 00000000
     計 2896125106

 〔二 中〕 打得安犠盗三四残
 9 田 淵 32201143
 7 山 本 61101111
 8 葛 野 32100032
 1 加 島 34200031
 3 矢 野 54300111
 6 池 田 42212011
 4 津 田 54201010
 5 高 原 62200111
 2 木 村 42303022
     計 3923181841712

 △二壘打=佐野、太多、山崎兄、高原、津田、加島、矢野2

第一回△一神、露口四球、佐野の投前犠打に二進、辻田四球に走者一二壘、太多も四球で一死滿壘のチャンスを迎ふ、向井三振してチャンス逸したかと見えたが續く山崎兄二壘左を抜く安打を放ち露口、辻田生還、朝倉四球、井上の遊撃右の安打に太多も生還、遠藤一匍に終ったが一舉三點を奪ふ。

   △二中、向井投手コントロール悪く、田淵、山本、葛野に四球を出して退き(山崎兄投手となる)加島四球に田淵押出さる、矢野の中堅越二壘打に山本、葛野生還、加島三進、投手牽制を遊撃失する間に加島生還、矢野三進(池田の三球目の時投手神谷となり山崎兄三壘、遠藤退く)池田四球二盗、津田右飛、高原一飛、木村の遊撃左の安打に矢野生還、池田三進、木村二盗、田淵後方のテキサスに池田、木村生還、田淵二盗、山本三飛に終るも二中七點を返して氣を吐く。  

第二回△一神、加島投手の肩亂れ露口、佐野、辻田に四球を與ふ。太多中堅越二壘打して二者生還、辻田三進、向井二飛、山崎兄中堅へ二壘打して辻田、太多生還、朝倉遊匍、井上遊匍此の回五點を舉げ一點勝越す。
   △二中、葛野左飛、加島四球、矢野左越二壘打に加島三進、池田の遊撃右を抜く安打に加島生還、矢野三進、池田二盗、津田右飛、高原三振、二中一點を返して同點となる。

第三回△一神、神谷二匍、露口四球、佐野三振、露口二盗、投手の二壘牽制悪投に生還、辻田三遊間安打二盗、太多四球、向井一飛又も一點リードす。
   △二中、無為。

第四回△一神、三者凡退。
   △二中、加島四球、矢野三匍失に加島二進、池田の三前犠打に二、三進、津田の一匍失に加島生還、矢野三進、高原の遊匍に矢野生還、津田三進、木村の三遊間を抜く安打に津田生還、田淵四球、山本遊飛にこの回三點を舉ぐ。

第五回△一神、神谷投飛、露口三匍、佐野左越二壘打、辻田三振。
   △二中、(一神、神谷退き露口投手、山崎弟遊撃)田淵四球、山本の三匍失に二進、葛野四球の時捕手二壘に悪投す。この間に田淵本壘を突き中堅からの送球に憤死す。山本も投手牽制に死す(加島打者の時山崎弟投手、露口退く)加島の左越二壘打に葛野長驅生還、矢野四球、池田の三遊間安打に加島三進、津田の中堅前の安打に加島生還、高原の遊撃越安打に矢野生還、津田二進、木村四球に滿壘、加島左飛、二中猛打して七點を加ふ。

第六回△一神、三者凡退。
   △二中、矢野中前安打、池田左飛、津田四球に矢野二進、高原四球に滿壘、木村の中飛に矢野生還、田淵四球に津田、高原二、三進、山本の左前安打に津田、高原生還、田淵三進、葛野四球、加島の三遊間安打に田淵、山本生還、葛野二進、矢野三振。

第七回△一神、三者凡退。
   △二中、池田左飛、津田中越二壘打を放って出で高原の左中間を抜く二壘打に生還、木村の三越安打に高原三進、田淵、山本共に三振、又も一點を増して大勢を決す。

第八回△一神、三者凡退。

〔後記〕三回まで加島投手の肩亂れ敵に九點を許したが四回以後引きしまり敵を凡退さす。二中は一神の投手陣を打ちまくり安打十八本を數へしは近年珍しきことなり。敵投手はコントロールなく、バックエラー續出して自ら壊滅した。

 吾が打棒は縦横に振ひ安打をせざる者なきの状態なり。此れは敵投手無力なるに依るもので強チームにこれ程の打棒がふるへるか否かは疑問である。畢竟敵投手のコントロールなき為に吾が軍が斯の如き大量得點をなしたのである。