昭和5年(18陽会)1930年

NO2

〈朝日新聞〉
【第16回全國野球選手権大會兵庫豫選】

 昭和5年8月2日(土)甲子園
 開始午前10時20分=閉戦正午 審判・高田(球)西川、阿部(壘)

▽2回戦
 神戸二中 301 021 0=7
 柏原中學 000 000 0=0

 (7回コールドゲーム)

 〔神二中〕       〔柏原中〕
 左 野 田 32打 數25 中 安 平
 一 佐久間 7安 打5 一 岸 本
 三  林  1犠 打0 投 萩 野
 遊 牧 野 3三 振7 遊 井 本
 捕 前 田 6四死球2 捕 高 田
 中 甲 斐 10盗 壘0 三 豐 島
 右 美 木 2失 策8 二 餘 田
 二 成 川 1二壘打0 右 外 島
 投 田 中       左 山 口

▲第一回 二中野田投飛失に出で佐久間四球、林三飛後牧野また四球に一死滿壘、前田遊飛に二死となったが、甲斐の二匍失に野田生還、美木の遊匍二失に佐久間、牧野も還り三點を先取す。▽柏原無為。

▲第二回 雙方凡退。
▲第三回 二中一死後前田四球、甲斐遊撃安打に出で連盗、美木の左翼犠飛に前田生還一點を増す。▽柏原二者三振後山口左前安打に出たが、安平の三匍に封殺。

▲第四回 二中一死後佐久間二遊間安打に出たが、後續の二つの中難飛、野手よく捕ふ。▽柏原、岸本三遊間安打に出壘したが、萩野の三匍に封殺され、井本中飛後高田三匍失に續いたが豐島一飛に好機を逸す。

▲第五回 二中前田中右間に二壘打し甲斐の中飛後美木四球、成川の二越安打に前田還り、田中また四球に滿壘となり野田遊撃の右を抜いて美木生還二點を加ふ。▽柏原一死後外島四球に出たが二死後安平の三側安打に進壘を急いで三壘に刺さる。

▲第六回 二中林遊匍失、牧野四球に出たが高田二飛して牧野とゝもに重殺を喫す。しかし甲斐の三匍失に林還り一點を加ふ。▽柏原三者三匍。

▲第七回 二中一死後田中遊側安打し二死後佐久間遊越安打に續いたが林三飛に入らず。▽柏原高田右中間に安打し、豐島三飛後餘田も二遊間安打に出で好機を迎えたが、外島三振、山口中飛に點をなさず。
結局七回コールドゲーム七對零にて二中の勝利に歸した。

〈朝日新聞〉
 昭和5年8月5日(火)甲子園
 開始午後1時=閉戦2時35分 審判・川久保(球)西川、阿部(壘)

▽3回戦
 神戸二中 000 00=0
 甲陽中學 382 3X=16

 (5回コールドゲーム)

 〔神二中〕       〔甲陽中〕
 遊 牧 野 16打 數27 二 布 谷
 一 佐久間 0安 打15 右左藤 田
 中投甲 斐 0犠 打1 中 熊 城
 捕 前 田 8三 振2 三 九 里
 三  林  5四死球5 捕 川 端
 左 野 田 0盗 壘4 捕 紺 谷
 右 美 木 2失 策1 遊 野 田
 中 奈 良 0二壘打1 一 東 野
 二 成 川 0三壘打4 投右濱 邊
 投右田 中       右 堺 谷
             左投渡 邊

▲第一回 二中牧野四球、佐久間三匍失に一、二壘をしめたが後者三振。▽甲陽布谷セーフティーバントに出で藤田の左越直球三壘打に生還、熊城の三匍トンネルに藤田また還り、熊城、九里の犠打に送られ二死後野田の二越安打に生還、三點を先取す。

▲第二回 二中無為。▽(二中、甲斐投手に、田中右翼に、奈良中堅に入り美木退く)甲陽東野三遊間安打し一死後渡邊死球、布谷の右前安打に一死滿壘となったが藤田遊匍して東野本壘に封殺され熊城の遊側安打に渡邊生還、續いて九里、川端の二者四球に二者入り、野田の遊匍失にまた一點、依然二死滿壘の時東野、左翼線上に二壘打して三者續いて入り濱邊右翼三壘打してこの回八點を奪ふ。

▲第三回 二中三者凡退。▽甲陽布谷遊撃内野安打し藤田の三遊間安打に三進し、熊城の中前安打に生還、熊城の二盗に捕手二壘牽制球を投じた機に藤田ホームスティールを企てゝ成功、更に二點を増す、續く三者凡退。

▲第四回(甲陽、渡邊投手に、濱邊右翼に、藤田左翼に代り捕手川端退き、紺谷に代る)二中二者凡退後一四球あったのみ。▽甲陽東野四球に出で二打者に送られて三進、布谷の中越三壘打に還り、藤田また左越三壘打して布谷生還、熊城の三遊間安打に藤田また入り續く九里また三遊間安打したが後援なし。

▲第五回(甲陽、渡邊退き堺谷右翼に入る)二中二死後佐久間四球に出たが甲斐の遊匍に二壘に封殺され、最後の奮闘も及ばず16對零のコールドゲームに終る。

19陽会(昭和6年卒)
 前田 元正    捕手
 佐井 英夫    
 牧野 楠郎    二塁
 山田 末雄    
 正岡幸治郎    
 羽山 正一    
 林   巌    二塁
 森  光男   
 甲斐 一男    右翼
 津久井正雄    左翼