昭和5年(18陽会)1930年

NO1

〈神戸新聞〉
【第9回京神中等學校對抗野球戦】

  昭和5年4月4日(金)明石公園グラウンド
  午前11時30分=午後2時5分 審判・木村(球)金政(壘)

▽1回戦
 神戸二中 000 043 000=7
 神戸三中 011 100 100=4


 〔二 中〕    〔三 中〕
 6 牧 野    3 柴 田
 5  林     16 長 束
 8 志 摩    2 改 發
 2 前 田    7 山 崎
 7 秋 元    8 脇 谷
 3 作 間    4 三 笠
 9 野 田    5 稻 見
 4 高 野    9 石 井
 1 甲 斐    61 水 田

◇…先攻の二中は一回牧野先づ四球を利し林の投手バント失に二者生きるなど戦雲頗る急を告げたが志摩二−三を見て三振に退き、前田二飛、秋元遊匍で好機育たず。三中三者凡退。

◇…二回二中は二死後高野四球、甲斐の右越二壘打に續いたが、牧野三匍になく。三中は山崎、脇谷四球に續き三笠のバントで山崎を三壘に封殺したが、稻見また三壘線上のバントに生き石井窮餘のスクイズに出で脇谷を迎へ、水田三振したが三中極めて消極的に一點を先取。

◇…三回二中一死後志摩四球に出たが前田の右翼ライナーに併殺され三中は柴田死球、長束四球、改發の投匍に柴田三壘に封殺されたが甲斐投手の制球力亂れ山崎、脇谷に四球を許して長束を押出し、更に一點を加ふ。

◇…四回二中一死後作間右前ヒット、二死後高野の左中間二壘打を飛ばし甲斐四球に滿壘となったが牧野一−一を二壘に打ち上げて空し。三中一死後石井の一打右中間を縫ふを志摩投手斜に追うたが惜しくも及ばず二壘打とし水田左飛で二死後石井敢然として三壘をスティール、柴田の左前ヒットに生還してまた一點をあぐ。

◇…後半五回に入り二中一死後志摩四球直ちにスティール、前田の遊匍内野安打となって走者一三壘に據る時秋元二壘左を破って走者を一掃、なほ自からは二壘手の本壘高投に一擧三進、作間、野田死球に出で忽ち滿壘、三中長束の投球全く紊れ高野も四球を奪って秋元還る。甲斐遊撃フライで二死後作間逸球に生還、なほ牧野も四球につゞき林一壘フライで終る迄二中一擧四點をあげ勝敗こゝに位置を顛倒す。三中凡退。

◇…六回二中志摩四球(三中、長束、水田と替る)前田の左越二壘打に進み秋元遊側安打して二者を迎へ作間も右中間突破の二壘打を放って秋元生還(三中投手復活)二死後甲斐又遊側を抜けば作間二壘から突込んで中堅手の送球に惜くも刺されたが二中三點を加へる。三中凡退。

◇…七回二中なく三中水田四球、一死後長束遊匍、二壘手の落球に二者生き改發の投匍に水田三壘に封殺され山崎四球、脇谷中堅に安打して長束生還したが、改發も本壘を臨んで志摩の好投に刺さる。

◇…八回、九回兩軍無為。結局七對四で二中勝つ。

〈神戸新聞〉
  昭和5年4月6日(日)明石公園グラウンド
  午後1時50分=3時40分 審判・木村(球)坂谷(壘)

▽2回戦
 神戸二中 000 020 001=3
 神戸商業 004 000 00X=4


 〔神二中〕 打安犠盗三四失
       數打打壘振死策
 6 牧 野 4200111
 5  林  3100020
 8 志 摩 4001000
 2 前 田 4100000
 7 秋 元 3010000
 3 作 間 4000100
 9 野 田 2000210
 4 松 井 1000100
 4 高 野 2100020
 1 甲 斐 3101110
     計 30612671

 〔神商業〕 打安犠盗三四失
       數打打壘振球策
 7 濱 崎 3000210
 4 井 上 3010001
 8 吉 岡 4101100
 1 大 村 3000110
 2 居 川 4100301
 3 井 神 2000010
 9 濱 田 3100000
 5 若 林 3000001
 6 橋 本 3100101
     計 28411834
 ◇二壘打=林◇併殺=牧野、高野

◇…二中は甲斐、神商は大村をマウンドに送り双方古強者で慈味のある緩球に前試合の華々しい打撃戦に引きかへ息づまる様な投手戦を展開して行く。

◇…三回の二中は一死後牧野四球、林右中間に二壘打したが、志摩とのスクイズ破れて牧野二、三壘間に挟殺され、林また三壘を望んで刺され絶好のチャンスを逸する。
 神商は橋本三壘左を抜く安打、濱崎三匍失に出で、井上のバントに走者二、三壘に送られ吉岡の遊越テキサスに橋本生還、吉岡スティール、大村嫌はれ直前の四球に滿壘となり、居川二遊間に安打して濱崎を還し井神四球に吉岡押出されて還り、濱田二壘に猛ライナーを送り大村生還、神商この回一擧四點を擧げて斷然リードす。

◇…五回二中は懸命となって挽回に務める。高野四球に出で甲斐の二匍に封殺されたが、牧野中前安打して甲斐生還、その間に牧野二進して三壘にのぞみ捕手の三壘高投に生還、二點を奪ひ返して追撃を急ぐ。

◇…二中甲斐投手は後半に入って漸く整調を示してばたばたと三振と貧打に神商の健棒を避けて行ったが、攻撃に入っては二中七回に高野三壘を破る安打して甲斐四球につゞき一番牧野を迎へてゐながらこの好機が育たなかった。
 旺盛なる闘志は九回に入って二中先づピンチヒッター松井三振したが高野四球、甲斐左中間に安打して牧野の右前安打に高野生還したが、甲斐も續いて本壘を衝き9−1−2のリレーに本壘寸前に刺され、その間牧野二進したが林の投匍に武陽軍利なく遂に四對三で惜敗した。