ＮＯ４

〈朝日新聞〉
　昭和13年８月６日（土）甲子園球場
　開始午前11時20分＝終了午後１時20分　審判・森口（球）三輪梅、佐藤（壘）
▽３回戰
　神戸二中　１００　０１０　２３１＝８
　明石中學　１００　０００　２２０＝５

　〔二　中〕　　　　　　〔明石中〕
　二　立　花　40打數39　中　岩　切
　一　青　田　11安打11　二　山　本
　遊　山　本　６三振５　遊　井　村
　投　池　田　４四死８　投三　井筒
　左　中村威　０盗壘６　一　横　濱
　中　芝　山　２失策３　左　福　島
　捕　中村善　　　　　　捕　野　崎
　右　枝　吉　　　　　　右　　林
　三　本　根　　　　　　三投　田中

　▲二壘打＝山本、福島、池田２、立花▲三壘打＝井村、中村（威）中村（善）

☆古豪、明石中散る　８−５、神戸二中奮闘☆
〔劈頭から一點づつ〕一回二中二死後、中村威の左翼二壘打に山本還って一點を先取すれば明石もその裏山本四球、二敵失に恵まれて一點を返へし、なほ滿壘となったが後續なし。

〔惜しい明石の逸機〕明石は二回にも二死滿壘となったが井筒三球で三振、三回には福島の左翼二壘打、四回岩切の三壘線上を抜く安打いづれもものにならず。
〔二中押しはじめる〕押され氣味の二中は五回に入って俄然反撥し、二死後枝吉、青田の中堅安打に生還して一點をリード、なほも七回には二死後二走者を置いて池田の左越二壘打に二者還り、断然明石を壓する。

〔明石盛り返す〕その裏明石は山本の右中間二壘打をきっかけに井村、井筒、横濱と安打を集中、井筒の本盗を織り込んで二點を回復、差一點に迫る。

〔古豪明石敗る〕二中は八回にも一死滿壘のとき立花の左中間二壘打に走者を一掃し最終回に本根の安打に一點を増したが、明石は八回井村の左越三壘打に二點を得たのみ、最後の攻撃も敵の好守に阻まれて敗退し去った。

《武　陽》
　昭和13年８月９日（火）甲子園球場
　開始午後１時＝終了２時35分　審判・木村（球）生駒、堀川（壘）
▽準決勝
　甲陽中學　００１　０００　１００＝２
　神戸二中　０００　０００　０００＝０

☆甲陽中學に惜敗☆
一回（甲陽）塚本三直、北ノ坊三振、別當三匍。
　　（二中）立花投飛、青田三振、山本四球、池田右飛。

二回（甲陽）山西三匍、三谷左越二壘打し芝村四球に出たが小前三振、磯野投匍。　　　
　　（二中）中村三振、本根投匍、芝山捕邪。

三回（甲陽）眞多投匍、塚本左飛失に生き、北ノ坊遊飛の後別當三遊間を抜く安打して
　　　　　　塚本生還、別當二進せんとして刺さる。
　　（二中）枝吉二匍、中村善三振、立花投匍。

四、五、六回兩軍無為。
七回（甲陽）小前四球、磯野三壘手の頭上を抜く安打し眞多死球で滿壘となり塚本三匍
　　　　　　で小前本封、北ノ坊三匍失で磯野生還、別當三振、山西遊匍。
　　（二中）二死後、池田、中村と安打が續いたが本根三振。

八回（甲陽）凡退。
　　（二中）中村善の安打があったのみ。
九回（甲陽）磯野遊匍、眞多四球、塚本左飛失に生きたが北ノ坊三振、眞多も投手牽制
　　　　　　球に刺さる。
　　（二中）青田三振、山本左前安打したが池田三振、中村中飛で二中惜敗す。

〈朝日新聞〉
　昭和13年８月９日（火）甲子園
　開始午後１時＝終了２時35分　審判・木村（球）生駒、堀川（壘）
▽準決勝
　甲陽中學　００１　０００　１００＝２
　神戸二中　０００　０００　０００＝０

　〔甲陽中〕　　　　　　〔二　中〕
　二　塚　本　31打數31　二　立　花
　左　北ノ坊　５安打４　一　青　田
　投　別　當　１犠打０　遊　山　本
　中　山　西　８三振12　投　池　田
　遊　三　谷　６四死１　左　中村威
　捕　芳　村　２盗壘０　三　本　根
　右　小　前　０失策２　中　芝　山
　一　磯　野　　　　　　右　枝　吉
　三　眞　多　　　　　　捕　中村善
　
　▲二壘打＝三谷

☆二中追撃成らず　２−０　凱歌は甲陽に☆
〔兩軍早くも投手戰〕一回二中池田の好投に阻まれた甲陽は塚本三直、北ノ坊三振、別當三匍で三者凡退に對し、二中側また別當の好投に僅かに立花投飛、青田三振の後四球に出た山本が一壘を踏んだのみで池田右飛に退く。

〔甲陽最初の二壘打〕二回甲陽は山西三匍の後三谷左翼越二壘打に出で芳村の四球に三進したが小前の投直で無為。二中は中村三振、本根投匍、續いて芝山の捕邪飛に退く。

〔甲陽一點を先取〕三回甲陽は眞多投匍の後三遊間安打に出た塚本、別當の三遊間安打に一擧生還して一點を擧ぐ。二中は枝吉二匍、中村善三振、立花二匍で三者凡退。

〔別當愈々好調〕四回甲陽は一死後四球に出た三谷二盗の後芳村の投前軟打に三進したが小前三振。二中は青田、山本ともに三振の後池田の捕邪飛に無為。

〔兩軍の打陣振はず〕五回甲陽は磯村遊匍、眞多二匍、塚本四球、北ノ坊三飛に對し二中は中村三飛、本根中飛、芝山投匍に退き兩軍打陣振はず。

〔二中愈々苦戰〕六回甲陽の別當中前安打に出るも後援なし。二中は二三振の後立花三匍に戰況いよいよ不利。

〔甲陽一點を加ふ〕七回甲陽は三壘越安打に出た磯野が續く一死球と三匍に三進、北ノ坊の三匍失に一點を擧ぐ。二中二死後池田、中村ともに安打に出るも後援續かず。

〔兩軍の善戰〕八回甲陽が一三振、二中飛に對し二中は一安打を持つも二三振、投匍に退く。

〔二中の追撃空し〕九回甲陽二死後眞多四球、塚本左飛失に出るも眞多牽制球に刺さる。二中は一死後山本三壘越安打に出るも池田三振、續く中村の中飛に涙を呑む。