第2章 守備

第1項 標準的なカットオフ及び中継プレー

いかなる条件下でも、プレーが行われる可能性のある塁は、カバーしなければなら
   ない。

 カットオフマンについて
   カットオフはとても重要なプレーで、カットオフマンは、素早く頭を回転させ、
  とっさにプレーを判断し、どの走者を遮り、或いは挟撃すべきかを考慮すべきであ
   る。
  特に最終回或いはその1回前で、同点もしくは、勝越し走者が塁上にいる時、重要と
   なる。

   味方の送球をカットオフして、走者が同点或いは勝越しランナーである場合には、
   確実にアウトにする。
   故にカットオフマンへの返送球は、送球し易い様に必ず低く目掛けねばならぬ。

外野手同志は、お互いの間へ放たれた打球に対し、相互に援助すべきである。

内野手は、ベースの内側に位置し、走者が確実に触塁したかどうかを確認する。
   しかもベースの内側にいる事によって、走者が次塁へ進塁する時、塁を少し大廻りし
  なければならないようになる。

   但し、余りベースに近く立ちすぎて走塁妨害をしてはならぬ。

無死で、外野への平凡な飛球には、外野手は、二塁へ低目へ狙って強く返球する習慣
  をつける。

   左中間への飛球には、遊撃手がカバーに入り、右方向への打球には、二塁手がベース
  カバーに入る。

   これによって外野手は、二塁への送球の癖がつき、やがて強い低い球をうまく二塁へ
   自動的に返してくるようになる。

すべての選手に共通して言える事は「自分の欠点に打ち勝つ」事である。

(a)
カットオフマンに対する言葉によるサイン例

 1.やり過ごせ………この送球をカットせずに向こう迄やれ、の意。

 2.カット(せよ)…この送球をカットして直ちに送球に備えよ。

 3.リレー(せよ)…送球をカットし「中継しろ」と叫んでいる味方の野手にリレー
                     する事。
 

(b)カットオフの任務

(1)一塁手 次の3例を除いてすべての安打、得点される可能性のある飛球で、
   右翼及び中堅方面への打球に対して、カットオフマンとなるべし。
   即ち次の三つのケースである。

    a ケース17…走者二塁、一、二塁間を抜け右翼への単打。

    b ケース19…走者一、二塁で一、二塁を抜け右翼への単打。

    c ケース23…走者一塁で右翼線への二塁打或いは三塁打性のもの。
 
ただしケース23の時は、一塁手が走者の後を追う形になるから、その時を除いて、走者が一塁にいる場合には、長打が出た場合、必ず一塁手がカットオフマンになるべきである。
又ケース4に示す如く三塁手が球に突っ込み過ぎて体をたてなおしてカットオフの姿勢を取れない場合、一塁手がカットオフマンになる。


(2)
三塁手 次の4例の場合のみカットオフマンになる。

   a ケース3……走者スコアリングポジションで左翼への単打。

   b ケース5……右の場合で送球は二塁へ行うべきだと判断される場合。

   c ケース17…走者二塁で打球が一、二塁間を抜け、一塁手がゴロを捕ろうと
           とび出して形が崩れたケース。

d 走者三塁でレフトへの飛球。

(3)二塁手 次の5例では一塁をカバーすべし。

   a ケース11……走者二塁で中堅への単打。

   b ケース13……センター及びライトへの飛球で得点されるおそれのある時。     

   c ケース16……走者二塁で右翼への単打。

   d ケース17……一、二塁間を抜けて右翼への単打

   e ケース19……走者一及び二塁で、一、二塁手間を抜いた右翼単打。

(4)投手  次の2例でカットオフマンとなる。

   a ケース19……走者一及び二塁、一、二塁手間を抜き右翼への単打。

   b 1塁後方へのポップフライ……右翼へのポップアップ。

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