第1回高等学校選抜野球大会」

〈神戸新聞〉

【第20回全国選抜野球大会】

【第1回選抜高等學校(新制)野球大会】

昭和23年4月3日(土)甲子園 午後3時5分開始

▽1回戦

神戸二中000 000 101=2

早稲田実000 001 000=1

〔評〕河野投手の肩定まらず二つの四死球と1安打で出端に襲いかかった大ピンチを二中が見事切り抜け得たのは、荒川の中前安打で二塁からの一挙本塁をおとし入れんとした高遠を本塁寸前で刺した結崎の強肩と、同じく海部の中堅前ライナーを前進しながら地上すれすれで好捕し二塁走者荒川の帰塁を許さず併殺に退けた結崎の好守であった。

この危機を無難に過した二中はすっかり落ち着きも出來以後早実と対等の試合を運び得たし、六回左翼手の無用の一塁投球が悪投となって與えずもがなの一点を許したが、七回三塁強襲に出た迫平が二盗と二つのバントで同点とし、九回には遊越安打の大西がバントで二進したのち、迫平の三遊間ゴロが野選となり、あまつさえ遊撃の三塁への送球が悪投となって大西すばやく生還し、二中の快勝するところとなった。

二中河野投手が8個の四球を出しながら早実がこれを活かし得なかったのは、下位打者が著しく見劣りした打線の不備であり、早実敗退の因も実はここにあったといえよう。(米沢生)

〈毎日新聞〉

昭和23年4月4日(日)甲子園 午後2時40分開始

▽2回戦

神戸二中000 000 200=2

北野中學100 000 20X=3

〔評〕北野橋投手は荒れ気味であったが神戸が高めの球を振ってくれるので後半にいたるまで大した破綻も見せずにすんだ。1対零のまま後半に入り七回両軍仲良く二点ずつを獲得したが四球と失策とスクイズの混戦であり見栄えのあるプレーはなかった。

神戸は八回一死満塁の好機に恵まれたが貧打に空しくついに北野に凱歌があがった。この試合後半において乱戦となり形勢は逆転また逆転ながら内容は貧打戦であった。