なんと頼りになる選手だろう。守って、打って、そしてチームをまとめて…。主将の岡本捕手だ。1点を争う大接戦。こういう時にこそ、岡本の存在が際立ってくる。「よくやってくれてますよ」と榮監督も信頼を寄せている。
1、2、7回。岡本は二盗を試みた三木東の走者を正確な送球ですべてアウトにした。特に7回は、無死の走者だっただけにマウンドの徳が「あれで気分が落ち着きました」と振り返るのも当然だろう。
先発の中本が先取点を与えたのは5回だった。無死で井上を歩かせたのがつまずきのもと。送りバントの一死二塁から戸田の三ゴロを八木が一塁へ悪送球し、井上の生還を許した。なんとも後味の悪い失点だ。
兵庫は7回まで2回を除いて毎回のように走者を出しながら得点に結びつけることができなかった。特に惜しかったのは5、7回。5回は無死から松原が右線二塁打しながら後続が凡退。7回は二死二塁から井上が左前打しながらホームを狙った走者が返球に間一髪アウトとなった。
兵庫ベンチが沸いたのは土壇場の9回。無死から高橋が歩き、続く松原が右越えに起死回生の同点二塁打。試合を振り出しに戻した。
勢いづいた兵庫は続く10回、決着を付けた。井上の中前打を足場に二死二塁から岡本が左越えに決勝の二塁打。その裏の無死二塁のピンチを7回から救援の徳がしのいで、2回戦に進出した。
榮監督の話「一つ勝って、ホッとしました。選手がよく頑張ってくれました。一戦一戦、大事にいきます」
岡本主将の話「(決勝打の打席は)しっかり打って決めようと打席に入りました。打った瞬間、よっしゃあ〜と思いました」
徳投手(4回無失点の好救援)の話「とにかく抑えることしか頭にありませんでした。スライダーが低めに決まりました。70〜80点の出来です」
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