第89回全国高校野球兵庫大会開幕を迎えて

−兵庫高校野球部員に告ぐ−

大正4年(1915)にスタートした全国高校野球大会は本年で89回となり、来年は90回大会の大きな節目の年となる。特に来年は兵庫高校学校100周年となり、同時に野球部も創部100年の記念すべき年となる。本年はその前年となるだけに野球部員には伝統と歴史に誇りを待ち、高校野球界に“兵庫高校野球部ここにあり”という旋風を吹かせて欲しい。

兵庫高校野球部は神戸二中時代の第一回(大正4年)に県大会で優勝し県代表となる。全国大会では東京代表早実に敗れたがベスト8に入り、見事記念すべき第一回大会に輝かしいページを飾った。
以降、県大会は優勝出来なかったが、準優勝が3回あり、又、春の選抜大会には4回出場するなど兵庫県下はもとより、全国的にも文武両道を誇る名門校となり、その名を全国に轟かせている。
特筆すべきことは全国約4,200校の参加校があるが、第一回大会から本年度まで連続して参加している学校は全国で15校、県下では兵庫、神戸、関学だけであり、これらのことも十分踏まえ、期待に応えてくれるよう切望するものである。

最近(ここ10〜20年)の野球部はグラウンド難、用具不足、部員不足、予算不足等、野球部を取り巻く環境は極めて厳しく、低迷が続いているが、現在は部員数も50名を超え、又 、学校、OBからの理解、支援もあり、ある程度戦える条件が整ってきていると考える。与えられた環境、条件を確と受け止め、その中でベストを尽くし、克服していくことが大切である。限られた練習時間でも“勝つための練習”“不可能を可能にするための練習”という目的意識を持ち、効果的、効率的、実戦的な練習を積み重ねていけば、十分道は拓けるものと確信する。

県大会に臨むに当り、次の点に留意(意識)し、まず、初戦に勝ち、校歌を球場一杯に響かせ、さらに勝ち進み、上位進出を目指すよう、多くのOB、関係者が大いに期待している。

留意点

 

初戦相手は組み合せによると、比較的楽な相手と考えられるが、これは大いに勘違いである。野球は何が起こるかわからないスポーツであり、特にトーナメントの一本勝負では、例え格下チームであっても、相手に胸をかりる挑戦者であるという気持ちで全力で一丸となって戦っていくことが大切であり、リードされても慌てることなく、粘り強く、必ず勝てる、勝つという強い意志と意欲をもって試合に臨んで欲しい。

 

そのためには、攻撃面では、毎回トップバッターは何としても塁に出ることを心がけ、つなぐ打撃と相手の嫌がることに徹することである。バント、バスター、エンドラン、エバース等も十分活用すること。

 

又ランナーは、相手チームの状況を把握し、絶えず進塁を心がけ、スキあればいつでも次塁を狙う姿勢を示すことも大切である。全力疾走は当然のことである。

 

バッティングは基本的には狙い球(球種、コーナー、相手の守備体形等を考えて)を絞るか、コンパクトにセンター返し、もしくは右狙い(左バッターは左狙い)を心がけ、チームバッティングに徹することである。特に見逃しの三振は絶対にしないこと。

 

守備面ではまず毎回、先頭打者は必ずアウトにすることが大切である。又、T.P.Oを考え、状況に応じた、考えた野球をしていくこと。的確なカバーリングが失点を防ぐ。

 

投手は先頭打者を打ち取ることに全力をあげ、自分の得意球を活かすため、緩急を使い分け、コントロールを十分心がけ、バックを信頼し、ムダな四死球を出さないこと(トップバッターへの四死球は70%失点に絡む)。味方のエラーにもくさらないこと。

以上、ポイントのみの考え方を示してきたが、勝負事は先手必勝で勝ちパターンをつくり、逆にリードされても粘り強く、くらいついていき、泥臭くても必死になり、当たり前のことを当たり前にやれば、必ず、勝利の女神はチームに味方してくれると思う。

 

“先ず全力で戦い、初戦突破しよう”

 

野球部OB 42陽会 田中博人
(兵庫県大学野球連絡協議会代表、元甲南大監督)
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