52陽会  片山透氏

私たちが兵庫高校に入学したのは昭和37年の4月です。入学式の日にユニホーム姿の先輩から入部の勧誘を受けたことをきのうのことのように思い出します。

部生活の思い出は色々あり、入部早々とっぷりと日が落ちて、ライトが点灯されると各ベースに石灰をかけてベースランニングをやったり、センターの後方にあったユーカリの木まで走ったこと。ユーカリといえば、われわれが在校中に台風で倒れてしまい、非常に残念な思い出があります。

それと神戸市民球場で行われた神戸高校との定期戦です。1年生、2年生のときには負け、3年生のときには勝つことが出来安堵しました。定期戦独特の雰囲気の中でプレー出来たことは今思い出しても、感謝、感激以外の言葉は見つかりません。2年生の秋、新チームになったとき、常徳、藤本両先輩がコーチになり、熱心な指導を受け目に見えて技術が向上しました。毎日々々雨の日も風の日も土曜、日曜も関係なく、練習やゲームに私生活を犠牲にされたことを社会人になった今その有り難さを痛感、頭の下がる思いです。

3年の夏の県予選は、常徳先輩に監督をお願いし2回戦からの出場で須磨高を9−2で7回コールド勝ちし、3回戦の市川高との1回裏、2四球と宮長、片山のタイムリー、幣の犠飛、島田の安打などで打者一巡の猛攻でいきなり5点を挙げ試合を有利に進めました。

これで諸先輩の指導に報いることが出来たと思いました。

4回戦は姫路商業と対戦、8回を終わって2−4、9回も二死、保坂主将の放った打球は夏空に向かって舞い上がり、見上げた真っ青な明るい空の色が眼の奥に焼きついてその瞬間、私の兵庫高校における野球部生活にピリオドが打たれました。

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