一 大空高き鷹取の
下に立ちたる武陽城
寄せ来る敵は大洋の
潮と巻いて逆巻けど
怒濤を抜いて聳ゆるは
揺がぬ巌の姿かな
二 ああ世は去りぬ百万の
健児いづこに潜めりや
ああ世は如何に百万の
男児何等の慨ありや
妖雲くらく地をこめて
濁流高く天を衝く
三 その濁流は高けれど
その妖雲は暗けれど
城を守れる武士の
心は清し天上の
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四 その影清き星の下
至誠の念鍛うべく
秋の紅葉と春の花
月と雪とを外にして
ここに鍛えしわが腕
ああ腕は鳴り肉躍る
五 時は来たらん今ぞ今
天軍城を出づるべく
わが腕の程ためすべく
魂の程示すべく
仰げや友よわが上に
常勝軍の旗高し
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