昭和14年(27陽会)1939年

NO1

[近畿二府四県大会兵庫豫選]
[第7回縣下中等學校野球大會]

 昭和14年4月1日(土)明石公園球場
▽1回戰
 神戸二中 020 431=10
  縣二商 000 000=0

 (6回コールドゲーム)

 昭和14年4月5日(水)明石球場
▽2回戰
 神戸二中 000 200 001=3
  灘中學 000 000 000=0


 昭和14年4月7日(金)明石球場
▽3回戰
 神戸二中 100 000 001=2
 明石中學 300 002 01A=6

〈朝日新聞〉
【第25回全國野球選手権大會兵庫豫選】

 昭和14年7月24日(月)甲子園
 開始午後2時=閉戦3時33分 審判・宮崎(球)間世田(一)西川(三)
▽1回戦
 神戸二中 013 500 0=9
 加古川中 000 000 0=0

 (7回コールドゲーム)

 〔二 中〕      〔加古中〕
 二 立 花 25打數21 遊 鈴 木
 左 枝 吉 4安打0 三 松 本
 捕 中 村 0犠打0 捕 山 本
 中 本 根 5三振5 投 藤 原
 中  金  11四死7 中 久保田
 右 小 林 1盗壘1 一 木 本
 走 山 口 0失策4 二 岸 本
 投 井 上 0暴投0 右 石 川
 一 猿 丸 1捕逸0 左 福 田
 遊 福 島 0重殺1
 三 三 谷
 三 宮 村

☆二中輕く一蹴 9−0 加古川中及ばず☆
○…兩軍投手の制球悪く互ひに四球を續出して壘上を賑したが、二中の守備固く、また加古中は井上二中投手の緩球が打てず遂に無安打に封じられ、二中は二回に三つの四球と投手の悪牽制で一點、三回も二死後四球と野中の失策續出で三點を拾ひ、四回には安打四本を集中して五點をあげ、結局9−0七回コールドゲームで堂々二中勝つ。

〈朝日新聞〉
 昭和14年7月27日(木)甲子園
 開始午前9時8分=終了11時15分 審判・奥山(球)高井(一)花房(三)
▽2回戦
 第一神港 010 000 010 0=2
 神戸二中 000 002 000 1=3

 (延長10回)

 〔一神港〕      〔二 中〕
 捕 平 松 35打數29 二 立 花
 一 常 徳 4安打2 右 枝 吉
 遊 佐々木 0犠打2 捕 中 村
 中 山 下 6三振5 中 本 根
 右 母 里 11四死8 右 小 林
 投 清 水 4盗壘0 投 井 上
 三 前 田 5失策6 一 猿 丸
 二 三 宅      遊 福 島
 左 城 井      三 宮 村
 左 吉 田

☆大會初の延長戰 3A−2 二中、第一神港を屠る☆
○…緩い浮き気味の同じ球質を持つ神港清水、二中井上兩投手の對立に興味を引いたが、果たせるかな第一回から兩軍とも相手投手の缺點をよくつき二走者を出して花々しいスタートを切る。

 神港軍前半やゝ打ち勝ち二回清水、前田が連續安打して好機を作り、さらに二四球を得て一點を先取し、その後も二中軍の粗漏な守備にやゝ押しぎみ試合を進める。清水投手の軟投にミート悪く出壘しても追撃に焦って暴走に好機を逸してゐた。二中軍も六回には漸く清水の緩球に馴れ劈頭立花三遊間を抜き中村も安打につづき、二つの敵失も混じって二點を返し形勢逆轉。

○…八回神港は佐々木遊匍失、山下の捕前バントを捕手一壘に低投して無死一、二壘のチャンスを迎へ二死後前田、三宅四球を選んで押し出しの一點をあげ、大會初の延長戦に入る。

 十回神港は二四球と一敵失で一死滿壘、絶好の得點機を掴んだが、母里本壘を覗ひすぎて二中バッテリーに計られ三本間に挟殺され憤死、つひに機を逸してその裏、二中は立花、枝吉四球、中村に送られ、立花と本根のスクイズは投前に轉々と飛び立花決勝の一點をあげ3A−2で二中勝つ。

〈朝日新聞〉
 昭和14年7月28日(金)甲子園
 開始午前11時20分=終了1時10分 審判・洲崎(球)丸泉(一)西川(三)
▽3回戦
 關學中學部 100 000 001=2
  神戸二中 000 000 000=0

 〔關學中〕      〔二 中〕
 三 芹 野 35打數26 捕 立 花
 捕 武 田 9安打2 左 枝 吉
 左 西 谷 1犠打1 三 本 根
 中 須古兄 2三振10 右 小 林
 遊 富樫弟 7四死5 中 井 上
 投 富樫兄 2盗壘1 投 中 村
 一 松 岡 1失策5 二 竹 中
 二 須古弟      一 猿 丸
 右 柳 田      遊 福 島

 △二壘打=富樫(兄)

☆關學の健棒冴ゆ 2−0 二中遂に及ばず☆
〔第一回〕關中の打棒は劈頭よりはやくもその鋭さを見せ芹野三匍して敵のハンブルに生き武田遊匍一失、西谷投直の後須古(兄)の右前安打、續く富樫(弟)の二遊間痛烈に抜くヒットで堂々一點を先取、大いに氣勢をあげ、その裏二中三者とも關學富樫(兄)投手の好調に押され三振。

〔第二回〕表關學の富樫(兄)まづ左翼左を猛烈に衝く二壘打に出、松岡の中前安打でまたまた好機を迎へたかと思はれたが須古(弟)柳田とも右飛で無為に終った。しかも兩軍はなほ強氣の攻法は溌溂の好ゲームを見せる。

〔第三、四回〕兩軍いづれを凡打に退き
〔第五回〕關中無為のあとその裏二中中村三壘頭上を越す安打、竹中四球、猿丸のバントで二中はじめての好機至ると見られたが中村のスクイズ成らず福島の四球あったが立花の遊匍で惜しくも逸機。

〔六、七、八回〕は兩軍投手の好投、さらにゆるぎなき守備陣に得點の機會なく文字どほりクロスゲームを展開。

〔第九回〕表關中さらに猛然起っての攻撃に入れば二四球、富樫(弟)などの安打に一點を加へその裏二中も奮然鋭さを示したがこの反溌も僅かにおよばず敗退。

28陽会(昭和15年卒)
 立花 照也    二塁
 井上 利雄    右翼
 宮村  研    三塁
 本根 一衛    遊撃
 田中 隆男    
 中村 善泰    捕手
 枝吉  完    右翼
 瀬戸房次郎