〈朝日新聞〉
【第22回全國野球選手権大會兵庫豫選】
昭和11年7月28日(火)甲子園
開始午前1時22分=閉戰3時15分 審判・町田(球)三輪梅、丸泉(壘)
▽2回戰
神戸二中 201 020 000=5
中外商業 000 000 000=0
〔二 中〕 〔中外商〕
遊 加 島 39打數30 捕 下 村
三 高 原 7安打3 二 早 司
投 山 本 3三振4 中 鹽 津
捕 木 村 7四球9 一 石 井
二 池 田 0盗壘1 右 中 濱
右 上 山 4失策7 遊 寺 島
左 藤 井 投 吉 野
一 尾 崎 左 平 田
中 田 淵 三 石 田
△二壘打=上山▲ボーク=山本
☆二中の追撃鋭く 優勢に押し進む 5−0中外涙の敗退☆
◇〔二中はやくも二點〕(G)……第一回加島まづ二壘強襲の安打、つゞく高原は巧みなスクイズで一壘に出で、加島は二進、つゞく山本は三匍で倒れたが木村三壘左、池田の左前といふ集中安打をあびせこの回はやくも二點を先取。
中外は二中山本投手の好投にさへぎられ三者凡退、中外吉野投手の不調に不運なスタートを起す。
◇〔中外の追撃鋭し〕(G)……二回兩軍無為のあとをうけ、第三回二中またも山本の左前安打、池田敵の三失に一進したのに乗じ藤井の右前安打でさらに一點をかせぐ。三點の差に奮起した中外軍平田の二匍で一死後吉野、石田の四球、下村の小さく匍ふ絶好のバントに送られ滿壘のチャンスをはじめて迎へたが、早司の放った一匍を二中軍見事にダブルプレーし、石田は本壘に憤死、早司も刺さる。
◇〔二中なほよく打つ〕(G)……第四回兩者凡退のあと、五回二中またも上山の左翼越の堂々たる二壘打で敵の度膽を抜き藤井の二失で一進したのをはじめ田淵の四球、二壘手の暴投などで二點を加へ中外引きしまっての防禦も二中の打棒に押され氣味。
◇〔二中優勢をおし進む〕(G)……六回以後兩軍とも散發安打、凡打のままになすなく二中は優勢をそのまゝ押し進め結局中外涙をのんで退く。
昭和11年7月31日(金)甲子園
開始午後零時50分=閉戰2時10分 審判・龜山(球)丸泉、角岡(壘)
▽3回戰
尼崎中學 001 700 1=9
神戸二中 000 200 0=2
(7回コールドゲーム)
〔尼崎中〕 〔二 中〕
左 佐々木 23打數25 遊投 加島
捕 浅 岡 8安打8 三 高 原
遊 東 浦 2犠打0 投二 山本
三 宇 治 2三振1 捕 木 村
投 橋 本 8四死3 二遊 池田
中 廻 4盗壘0 右 上 山
二 山 村 1失策4 左 藤 井
一 横 田 一 尾 崎
右 大 川 中 田 淵
☆尼中の試合上手 9−2神二中の大敗☆
◇〔兩軍一進一退〕……第一回尼中三者凡退のあと二中加島右翼安打、犠打に送られたが投手の機敏な牽制球で二壘を追出されて三壘前に憤死、續いて山本三匍一失に生きたが木村三匍。二回は尼中一死後最初の走者橋本敵失と犠打で三進しながら後援なく、その裏二中池田二本目の安打を左翼に放ったが上山の投前バントで二封、と兩軍無為。
◇〔尼中漸く一點〕……三回尼中一死後大川四球、佐々木三壘上をかすめる安打と續き、淺岡の三匍は三封となったが併殺を焦った壘手の一壘暴投で佐々木生還、尼中はじめて均衡を破って一點をあげる。
◇〔四回の得點競争〕……宇治の遊撃強襲安打で火蓋を切った尼中の攻撃はその後佐々木の三壘打をはじめ五安打、三四死球、一犠打となり一擧七點の大量得點をすれば、その裏二中も負けずに山本の左前安打を皮切りに一四球、二安打で二點を報いる。
◇〔二中遂に敗る〕……七回、尼中東浦四球に出るなり順次各壘手の悪投に救はれて一擧一壘から生還、とどめの一點ををさめ、二中も一四球、二安打でこれに對したが及ばず、遂に九對二で敗れた。
◇〔尼中に一日の長〕……兩軍七回を通じて各安打八、技倆に大きな差異はなかったやうだが尼中の試合上手なのに二中軍若干飜弄され氣味で、思はぬ大敗を喫したやうだった。
《武 陽》
◎對三神戰
昭和11年9月19日(土)神戸二中
※得點經過は記載されていない。
〔二 中〕 〔三 神〕
捕 木 村 24打29 三 高 岡
三遊三 高 原 5安7 二 岡 野
遊投遊 池 田 2犠0 中 岸 野
投三投 山 本 3盗0 投 多 田
左 上 山 6三5 捕 長 瀬
一 尾 崎 10四14 左 水 村
右 藤 井 右 吉 村
二 角 田 一 安 原
PH 田 中 遊 中 本
中 奥 田
△二壘打=池田△三壘打=山本
◎對一神戰
昭和11年9月23日(水)神戸市民球場
※得點經過は記載されていない。
〔一 神〕 〔二 中〕
遊 投 露 口 41打28 遊 池 田
二投遊 山 崎 11安8 一 尾 崎
三 佐々木 0犠1 捕 木 村
左 大 多 0盗3 投左投 山 本
投右 澤 田 6三4 左投左 藤 井
捕 井 上 14四23 三 上 山
一 神 谷 1失7 右 田 中
中 平 松 二 角 田
右 二 茶 岡 二 井 上
中 奥 田 |