大正15年(14陽会)1926年

NO2

〈神戸新聞〉
[第5回京神中等學校對抗野球戰]

大正15年5月2日(日)明石球場
午前9時30分=11時30分 審判・(球)佐村(壘)上坂

   (敵失)100 010 0=2
   (安打)111 100 1=5
 伊丹中學 110 000 1=3
 神戸二中 000 033 4=10

   (安打)010 012 2=6
   (敵失)000 033 2=8

 〔伊丹中〕 打得安犠盗三四失    〔神二中〕 打得安犠盗三四失
       數點打打壘振死策          數點打打壘振死策
 5 田 口 30001313    3 眞 鍋 31001211
 4 坂 上 32002112    6 矢 麥 41100201
 1 大 西 40100000    1 橋 爪 42101200
 2  辻  30100111    8 酒 井 33001010
 7 寺 西 40100300    5 澤 野 21110010
 6 北 嶋 11001121    9 吉 本 32101010
 8 柴 田 30000200    4 池 田 30000100
 9 塚 本 30100100    7 大 橋 30101000
 3  岡  30100001    2 田 中 30000100
     計 2735041258        計 2810515842

 △三壘打=吉本 △二壘打=吉本、大橋、岡、辻 △捕逸=田中2、辻2
 △試合時間=2時間

☆二中、伊中を屠る 猛打を以て敵陣を 混亂せしめ 十A對三の七回戰☆

◎第一回。伊丹=一死後坂上遊撃ゴロミスに出で大西右前ヒットに續き辻三振後大西一二間に挟殺されんとする間坂上生還一點を先取す。
△二中三者凡退。(伊丹一、二中零)

◎第二回。伊丹=北嶋四球を利し二死後岡の右中間ヒットに又一點。
△二中=二死後吉本右翼左を抜く二壘打に出たが離壘して刺さる。(伊丹一、二中零)

◎第三回。伊丹=二死後辻死球、寺西の右中間ヒットに三壘まで進んだが無為。
△二中無為。(兩軍零)

◎第四回。伊丹=一死後塚本二壘を抜いて出たが岡中飛後三盗を過る。
△二中=三者三振。(兩軍零)

◎第五回。伊丹=田口四球、坂上投匍一壘失に出で走者二、三壘に據ったが後援なし。
△二中=酒井遊ゴロ一壘失に二壘に據り澤野の三越テキサスに出で吉本の遊ゴロを封殺せんとす。二壘手のミスに滿壘の好機を迎へ池田の遊匍で酒井ホームに封殺されんとして生き大橋の中堅フライ落球に澤野還り吉本亦捕逸に還って一擧三點を得。(伊丹零、二中三)

◎第六回。伊丹凡退。
△二中=一死後橋爪遊撃内野ヒットに出で一壘暴投に一擧二進、酒井四球に續き澤野の犠牲バントに橋爪生還。吉本四球を利し池田の三ゴロミスに酒井還り大橋の左翼二壘打に吉本還って三點を加ふ。(伊丹零、二中三)

◎第七回。伊丹=一死後坂上四球にてスティールと捕逸に三進し大西の死後辻の右翼二壘打に還り一點を加ふ。
△二中=眞鍋四球スティールし矢麥の右翼ヒットに還り矢麥も亦捕逸と橋爪の三ゴロ一壘悪投に還り橋爪、酒井の三ゴロミスに還る。續く澤野又も四球に出で吉本の右翼三壘打に酒井還ったゝめ此處に七回のコールドゲームとなり結局十A對三で神二中の大勝する處となった。閉戰十一時三十分。