大正14年(13陽会)1925年

NO4

《武 陽》
◎對姫中春季定期戰
 大正14年6月28日(日)姫路高等學校
 六月二十八日姫路高等學校々庭に於て對姫中戰を行ふ。午後三時、三木、村尾兩氏審
 判の下に姫中先攻にて開始、三A對○にて勝つ。

第一回。兩軍無為。
第二回。姫中=黒田四球に出でしも島田右飛後水田三匍失に一、二壘に據る、正中の三壘ゴロに黒田、水田ダブルプレーに倒る。
△二中=尾西中飛後橋爪、眞鍋四球を得しも橋爪牽制球に殺され田中三振に止む。(兩軍○)
第三回。姫中=信澤三振、三浦四球、佐伯三振、船坂二匍。
△二中=吉本三振後眞鍋代走にて森本四球を得ダブルステイールし投手三壘に暴投して最初の一點を得。西村三振、二死後酒井三壘失に生き中野四球に送られ尾西二壘ゴロを放つ、之れを失して酒井ホームステイールせんとして右翼よりの投球好く殺さる。(二中一、姫中○)
第四回。姫中=島田の三壘右の安打ありしのみ。
△二中=敵投手に悩まされ橋爪、眞鍋、田中共に三者三振に葬らる。(兩軍○)
第五回。兩軍無為。
第六回。姫中=二死後黒田の中堅越え二壘打ありしも點をなさず。
△二中無為。(兩軍○)
第七回。兩軍無為。
第八回。姫中凡退。
△二中=森本四球に出で西村左中間安打に走者一二壘に據る、酒井の投手バントに中野の投前軟打失に二者生還す、尾西投飛に退く。(二中二、姫中○)
第九回。姫中=二死後黒田二壘により正中の二遊間安打に黒田本盗せんとして中堅よりの送球に殺され彼は萬事休せり。(二中A、姫中○)
時に四時五十五分、遂に三對○の接戰に勝つ。

 姫路中學 000 000 000=0
 神戸二中 001 000 02A=3


       打得安犠盗三四失残
 〔姫 中〕       死
       數點打打壘振球策壘
 5 佐 伯 400003010
 6 船 坂 300010101
 8 中 谷 400002000
 1 黒 田 101000320
 7 島 田 401001001
 9 水 田 400000001
 4 正 中 401001013
 2 信 澤 300002000
 3 三 浦 200010100
       2903029546

       打得安犠盗三四失残
 〔二 中〕       死
       數點打打壘振球策壘
 4 西 村 411003010
 6 酒 井 200001100
 7 中 野 300011101
 8 尾 西 400000001
 1 橋 爪 200002100
 3 眞 鍋 100011202
 2 田 中 300003000
 9 吉 本 300003000
 5 森 本 120021220
       23310415734

 △二壘打=黒田 △併殺=(黒田、水田)△暴投=黒田

《武 陽》
【第十一回兵庫縣優勝野球大會出場之記】

第一回戰(一回戰不戰勝で実際は二回戰)
 大正14年8月1日(土)甲子園運動場=鳴尾グラウンド
 縣立農業と組み十A對○七回コールドゲームを以て之れを破る。
 此の日限り鳴尾グラウンドを使用す。
 午前十一時三十分、川島、寺戸兩氏審判の下に縣農先攻に戰端を開く。

 県立農業 000 000 0=0
 神戸二中 012 312 1=10

 (7回コールドゲーム)

       打得安犠盗三四失残
 〔縣立農〕       死
       數點打打壘振球策壘
 3 小 山 200002111
 4 大 西 300001000
 7 丸 山 300001000
 1 松 本 300001000
 5 村 林 300002000
 8 北 山 201010000
 9 山 本 200001000
 6  辻  200000021
 2  橘  000001100
       2101018242

       打得安犠盗三四失残
 〔二 中〕       死
       數點打打壘振球策壘
 7 中 野 401101002
 4 西 村 422022000
 6 酒 井 412020001
 8 尾 西 221020201
 1 橋 爪 400000001
 3 眞 鍋 301022111
 5 森 本 221000211
 2 田 中 411021010
 9 吉 本 221000201
       2910101106738

〈朝日新聞〉
【第11回全國選手権大會兵庫豫選】
 大正14年8月1日(土)甲子園
 午前9時7分開始 午後1時50分終了 (審判)球審・川島 壘審・寺戸

▽2回戰
 縣兵庫農 000 000 0=0
 神戸二中 012 312 1=10

 (7回コールドゲーム)

 〔二 中〕      〔縣 農〕
 左 中 野      一 小 山
 二 西 村      二 大 西
 遊 酒 井      左 丸 山
 中 尾 西      投 松 本
 投 橋 爪      三 松 林
 一 眞 鍋      中 北 山
 三 森 本      右 山 本
 捕 田 中      遊  辻 
 右 吉 本      捕  橘 

 四失盗三犠安打    四失盗三犠安打
 死策壘振打打數    死策壘振打打數
 71962729    26190121

第一回。兩軍無為。(兩軍零)
第二回。縣農=無為。
△二中=尾西四球、橋爪凡死、眞鍋死球に出でダブルスティールに成功、森本四球に出で一死滿壘となるや田中インフィールドフライに眞鍋三盗成らずその間尾西本盗。(縣農零、二中一)

第三回。縣農=入らず。
△二中=吉本四球に出で一死後西村の安打に還り酒井の三振後、尾西四球に出で橋爪の敵失に一點を加ふ。(縣農零、二中二)

第四回。縣農凡退。
△二中=二者四球、二者安打、更に續く敵失に一擧三點を得て意氣昂る。(縣農零、二中三)

第五回。縣農=北山遊越安打に出たが入らず。
△二中=森本右失に出で田中遊匍失、吉本の安打に一點を加ふ。(縣農零、二中一)

第六回。縣農=三者凡退。
△二中=西村、尾西、眞鍋三者の安打あり二點を取る。(縣農零、二中二)

第七回。縣農=凡退。
△二中=敵失に出でゝ盗壘、中野のバントに一點を得、十對零で二中軍大捷す。時に午後一時五十分。

《武 陽》
大正14年8月3日(月)甲子園
豊岡中學と組十四對一を以って七回コールドゲームにて勝つ。午後十二時五分。
藤尾(球)松原(壘)兩氏審判の下豊岡中先攻にて開始す。

▽3回戰
 豊岡中學 000 010 0=1
 神戸二中 213 315 A=15

 (7回コールドゲーム)

       打得安犠盗三四失残
 〔豊岡中〕       死
       數點打打壘振球策壘
 8  原  300000000
 3 谷 夜 300001000
 5 斎 藤 301002010
 2 井 垣 301010021
 1 橋 本 301000002
 7 佐 川 300000001
 4 井 上 311001020
 9 山本盛 300002000
 6 山本榮 200001020
       2614017074

       打得安犠盗三四失残
 〔二 中〕       死
       數點打打壘振球策壘
 4 西 村 411000103
 6 酒 井 510111010
 7 中 野 432100010
 8 尾 西 342010100
 19 橋 爪 310000101
 5 森 本 321030100
 2 田 中 421000000
 3 眞 鍋 311000102
 9 吉 本 300002000
 1 上 山 100000000
       33158253526

 △本壘打=井上 △二壘打=中野、尾西 △逸球=井垣