大正11年(10陽会)1922年

NO5

〈神戸又新日報〉
[第10回扇港野球大會]
大正11年9月17日(日)東遊園地
 午後1時30分開始 4時閉戰 (審判)球審・三輪 壘審・栗田

  神戸二中 305 09=17
 青年會商業 032 01=6
 
(5回コールドゲーム)

 〔二 中〕      〔青 商〕
 7 甲 斐      1 石 本
 4 尾 西      7 天王寺谷
 2 榎 本      8 天 澤
 1 建 部      6 河 邊
 6 稻 田      2 品 川
 5 東 田      4 中 尾
 8 村 尾      3 庄 司
 9 中 野      5 長 光
 3 小 西      9 下 山

 得失犠盗四三安打   得失犠盗四三安打
 點策打壘死振打數   點策打壘死振打數
 17803331035   6110437326

▲第一回。二中軍甲斐投手を抜く置球に尾西二匍失に兩者出で榎本左飛に死せしも建部右中間を抜く三壘打を飛ばして先づ二點を得、更に建部生還して一點を加ふ。青商軍石本遊失に出で盗壘せしも無為。(二中三、青商零)

▲第二回。二中軍村尾三匍失に出で盗壘、二者三振、一者凡打。青商軍中尾出でゝ死せしも庄司、長光出で下山中左間に二壘打を飛ばし二點を恢復し石本の凡死後天王寺谷の二匍失に下山生還。(二中零、青商三)

▲第三回。二中軍榎本遊失に出で敵失を利して一呼本壘に入り、建部四球、稻田遊匍に出でしも東田左飛に死し、村尾の安打で建部生還せしも稻田牽制して刺さる。續いて中野、小西左失に出で甲斐の中堅二壘打に一擧五點を勝越す。青商軍河邊二失、品川内野安打に出で中尾三振せしも庄司二匍暴投に生き河邊生還し續く敵失に品川も亦本壘に入る。(二中五、青商二)

▲第四回。兩軍無為。(兩軍零)

▲第五回。二中軍村尾出で中野右翼安打に出で小西又バントに出でゝ無死滿壘の好機となるや甲斐三振、尾西四球に出で一點を得榎本の左翼二壘打に更に二點を加へ建部の三失に尾西、榎本生還、更に一死後東田投匍失に出で投手の二壘暴投に二三壘に進み中野の左失に二點を得。青商河邊四球に出で一死後中尾の三失に生還せしも中尾盗壘して刺され後續無為。(二中九、青商一)
十點の差を生じたる為め十七對六で青商の敗となりゲームセット。時に午後四時。

〈神戸又新日報〉
[第10回扇港野球大會]
大正11年9月19日(火)東遊園地
 午後3時開始 6時10分閉戰 (審判)球審・沼田 壘審・岡

 神港商業 001 220 101=7
 神戸二中 200 000 000=2


 〔二 中〕       〔神 港〕
 7 甲 斐       6 内 海
 4 尾 西       4 町田弟
 6 稻 田       5 三 谷
 1 建 部       1 永 井
 2 榎 本       3 山 下
 5 東 田       9 桝 本
 8 村 尾       7  岡 
 9 中 野       8 丸 泉
 3 宇麼谷       2 町 田

 得失盗犠四三安打    得失盗犠四三安打
 點策壘打死振打數    點策壘打死振打數
 2801215128    727328535

▲第一回。神港第一打者内海、第二打者町田弟二者連續三振し三谷三匍に死す。
△二中甲斐四球に出でしも尾西三振、稻田又四球に出づれば建部右中間の三壘打を戞飛ばして一擧二點を先取す。(神港投手永井に代る)榎本三振、東田二飛して終る。(神港零、二中二)

▲第二回。神港永井二匍、山下三匍に生きしも桝本の三匍に二壘に殺され桝本盗壘、岡遊匍に死す。
△二中村尾三匍、中野、宇麼谷三振。(兩軍零)

▲第三回。神港丸泉二飛失、町田兄遊匍失に出で内海又遊匍失に出でゝ無死滿壘となりしもサインの誤りから丸泉三本間に牽制して刺され、町田盗壘し町田弟の犠打に生還、漸一點を返奪す、三谷三匍。
△二中甲斐投匍、尾西遊匍、稻田三振。(神港一、二中零)

▲第四回。神港永井内野安打に出で山下三振、桝本遊三間を抜く匍球に出しも岡三振し丸泉の中左間を抜く三壘打に二者生還、町田兄三振。
△二中建部投直、榎本三振、東田一匍。(神港二、二中零)

▲第五回。神港内海遊匍に出で盗壘、町田弟の犠打に進壘、三谷四球、永井二匍失に出で内海生還し一壘の暴投に三谷又生還、山下犠打して永井を三壘に送りしも桝本三振す。
△二中三者三振。(神港二、二中零)

▲第六回。神港岡右飛、丸泉三振、町田兄中右間に安打を飛ばし一擧本壘に入らんとして刺さる。
△二中(神港町田兄負傷せし為め捕手小柴と代る)甲斐遊匍、尾西三振、稻田遊匍。(兩軍零)

▲第七回。神港内海安打して盗壘せしも町田弟の投直にダブルプレイとなる三谷遊匍失に出で一壘の逸球に進壘し永井中堅安打に生還、後續凡死。
△二中無為。(神港一、二中零)

▲第八回。神港桝本遊飛失に出で盗壘し更に三壘を盗まんとして刺さる、後續二者凡死。
△二中村尾、中野三振、宇麼谷二匍。(兩軍零)

▲第九回。神港二死後町田弟中堅の頭上を抜く三壘打に出で三谷四球、町田捕手の逸球に本壘に入る、永井右飛。
△二中甲斐遊匍失に出で捕失に進壘し更に尾西の犠打に三壘に進みしも稻田、建部三振して惜しくも最後の好機を逸す。(神港一、二中零)
時に午後六時十分、七對二で神港の大捷に帰す。

11陽会(大正12年卒)
 楠見 義男    二塁
 花房 寿一    
 宇麼谷教音    右翼
 村尾 文雄    右翼