巻頭文−4

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            創部100周年をお祝いします                        




                   朝日新聞大阪本社代表                                                  池内 文雄



 このたびは兵庫県立第二神戸中学校、現兵庫県立兵庫高校の硬式野球部創部100周年、誠におめでとうございます。栄えある歴史の節目を迎えられましたことに、心よりお
祝いを申し上げます。

 旧制神戸二中・現兵庫高校野球部の1世紀に及ぶ輝かしい歩みは、弊杜が深く関わって参りました高校野球の歴史と、そのまま重なります。

 創部から8年後の大正4年、貴部は、豊中球場で幕を開けた第1回全国中等学校優勝野球大会(現全国高等学校野球選手権大会)に兵庫代表として出場を果たされました。初戦で早稲田実業に惜敗されましたが、第1回大会出場という栄誉は、球史に永遠に刻まれることとなりました。

 春の選抜大会においても、昭和23年の 第20回大会に初出場され、これまで計4度も甲子園の土を踏まれました。夏春計5度の甲子園出場という素晴らしい実績に加え、貴部が重ねて来られた歴史を振り返る上で欠かせないのは、全国高等学校野球選手権大会の兵庫大会に、大正4年の第1回大会から途切れることなく出場されている点です。

 戦争による中断という悲しむべき時期がありましたが、戦禍の中にあっても白球への愛情を心に秘め、戦後まもなく部の活動を再開され、連続出場を続けられた、というその事実に、驚嘆の念を禁じ得ません。

 第80回記念大会が開かれた1998年、開会式で、貴部が「皆勤校」として甲子園に招待され、当時の浜口隆行主将が校旗を手に、堂々と甲子園球場で行進され た様子は弊紙でも紹介させていただきました。

 連綿と部の歴史を積み重ねてこられた幾多の皆様の熱情に心からの敬意を表し、貴部のますますのご発展をお祈りしまして、お祝いの言葉といたします。
 

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