巻頭文−2

NO2

祝 辞                




                       財団法人日本高等学校野球連盟会長                                           

                       脇村
春夫
 

 明治41年に兵庫県立第二神戸中學校野球部として発足した、兵庫県立兵庫高校野球部が、この度100周年を迎えられることを心からお慶び申し上げます。

 大正4年に始まった全国中等学校優勝野球大会(現全国高等学校野球選手権大会)7年も前に創部された伝統校であることは、言うまでもありません。この一世紀におよぶ長い時間の中、想像を超える幾多の困難や試練、また素晴らしい出来事が数多くあったに違いありません。これまで携わってこられた方々のご尽力に敬意を表すところです。

 まず、特筆すべきは、選手権大会において第1回から常にこの大会に参加され続けられていることです。全国でもごく僅かな学校しか成しえていないこの歴史的な記録は、是非とも末永く継続されることをただただお祈りするばかりです。ただ、第1回大会以降、全国大会に駒を進めることが出来ていないのが残念なことです。

 一方、選抜大会においては、「神戸二」として第20回大会に「県立兵庫」として第21回・第27回・第38回大会に4度の出場を果たされています。阪神甲子園球場で開催された第20回大会で悲願の1勝を奇しくも夏の第1回大会で苦杯をなめた早稲田実から逆転で挙げています。

 全国的にも、兵庫県下においても数少ない伝統校かつ進学校である兵庫高校が今日の高校野球の発展に寄与してこられた実績は実に重みのあるものです。また、この間に兵庫高校野球部から巣立った卒業生の皆さんが、各分野で数多くご活躍されていることも忘れてはなりません。

 母校野球部が創部100周年を迎えられましたのを機に、学校と卒業生の皆さんが一体となって、次なる目標に向けて更なる伝統を築かれるよう、心から願ってお祝いの言葉といたします。
 

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