〈神戸新聞〉
[春季県高校野球大会]
昭和38年4月29日(月)神戸市民球場
▽1回戦
飾 磨 002 001 000=3
県兵庫 000 000 50X=5
(飾 磨) 打安点 (県兵庫) 打安点
G 前 田 311 E 保 坂 310
A 代 谷 411 C 小 谷 400
@ 磯 田 410 @ 前 田 530
H 下 野 411 H 富 永 511
E 吉 田 310 F 山 本 311
B 川 崎 400 D 奥 田 421
D 梶 田 300 B 片 山 401
C 岡 村 200 A 幤 321
F 広 畑 210 G 宮 長 200
8 長 瀬 200
計 2963 計 35105
(飾 磨)831003
振球犠盗併残
(県兵庫)8415211
▽二塁打=代谷、幤、磯田 ▽暴投=前田 ▽失策=飾磨2(梶田、広畑)県兵庫0
▽審判=八木、林、天羽生 ▽試合時間=2時間25分
〔評〕県兵庫が七回、打者九人を送る攻撃で見事な逆転勝ちを収めた。一死二、三塁後富永、山本の二ゴロ、一ゴロが間に合わぬ本塁に投げる野選を誘って1点差、このあと奥田中前打で同点後、片山の遊ゴロ、幤の三越え安打で追加点をあげた。
幾分幸運な攻撃でもあったが、それまでにも毎回のようにチャンスをつかみ、また好投手磯田に10安打を浴びせたのだから、まず文句のない勝利だ。
飾磨は3点のリードがあったが、左腕前田の内角球を大きく振りまわすなどバッティングが荒く、磯田のピッチングにも慎重なところが見られなかった。七回守備陣の連続野選も得点差から見れば考えられないことで、セオリーどおり一塁に投げていたら1点ですんでいたはずである。
昭和38年5月18日(土)神戸市民球場
▽2回戦
県兵庫 000 000 000=0
県尼崎 120 002 01X=6
(県兵庫) 打安点 (県尼崎) 打安点
E 保 坂 400 E 清 水 200
C 小 谷 200 D 中 谷 312
H 島 田 100 G 有 山 410
@81前 田 300 @ 中 前 321
H 富 永 300 C 猪 口 300
F 山 本 300 A 菅 原 202
D 奥 田 300 G 高 橋 400
B 片 山 300 H 三 好 410
A 幤 300 F 昇 100
G 宮 長 100 7 角 田 100
81 長 瀬 100
H 森 下 100
計 2800 計 2755
(県兵庫)610012
振球犠盗併残
(県尼崎)4111109
▽二塁打=中谷、中前 ▽失策=県兵庫2(小谷、奥田)県尼崎1(中谷)
▽審判=内山、林、松尾 ▽試合時間=2時間17分
〔評〕投手力の差がはっきりしていた。中前、前田の両左腕は中前がノーヒットノーラン試合を樹立したのに対し、前田は制球力を欠いて五回途中までに95球を投げて降板した。中前は左手人さし指の負傷が完治せず、会心のできではなかったが、それでも内角速球にはかなりの威力があって92球で軽く完封した。
許した二走者はエラーと四球のもので、五回一死後三塁手の一塁悪投がなければ、完全試合を樹立していたかもしれない。
県尼崎は一回二死満塁後菅原がストレートの四球で歩いて先制、二回は二死一塁後中谷の左線二塁打と敵失で2点、五回には中前の左中間二塁打などで2点を加えた。県兵庫は打線が中前に食い込めず、チャンスの作りようもなく歯が立たなかった。
〈神戸新聞〉
[第20回対県神戸高野球定期戦]
昭和38年6月17日(月)神戸市民球場
午後1時56分から神戸市民球場で行われた。試合は両校全生徒をくり出した激しい応援合戦のなか兵庫優勢のうちに後半戦にはいったが、粘る神戸は同点で延長に持ち込み、10回敵失から幸運な2点を拾って逆転勝ちした。
これで神戸は4連勝、対戦成績を10勝10敗のタイとした。
県神戸 000 200 011 2=6
県兵庫 003 100 000 0=4
(延長10回)
〔県神戸〕 打安点 〔県兵庫〕 打安点
C 楠 421 E 保 坂 411
@ 田 富 410 C 小 谷 301
D 吉 岡 320 @8 前田 300
A 粟 田 311 D 奥 田 400
F 中 尾 201 F 山 本 310
E 川 節 400 H 富 永 310
B 川 合 400 B 片 岡 400
H 馬 田 400 A 幤 410
G 上 原 300 G 宮 原 210
8 森 下 100
1 長 瀬 000
計 3163 計 3152
(神)276418
振球犠盗併残
(兵)731621
▽二塁打=粟田、山本 ▽暴投=前田、長瀬 ▽失策=神戸1(川合)
兵庫4(前田、奥田、片山、長瀬) ▽試合時間=2時間50分
〔評〕両校とも相手投手の立ち上がりをよく攻めたが、得点に結びつけることはできなかった。しかし兵庫は三回幤、宮長の連安打を足場に小谷のスクイズ、本盗などをおり込んで一挙に3点を奪い、四回にも相手捕逸で1点を加えた。
一方、神戸は四回田富、粟田の長単打と暴投で2点をあげ、八、九回にも粘って1点ずつを加えて反撃、延長戦に持ち込んだ。そして十回には二死二、三塁後、川合の三ゴロが一塁悪投を誘発して拾いものの2点を奪い戦前の予想をくつがえして逆転勝ちした。
神戸は田富が五回以降よく立ち直ったのが勝因だが、両校の得点のほとんどに失策がからみ、試合内容はあまり感心できなかった。
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